アリス of Groovin2009

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アリス

谷村新司、堀内孝雄、矢沢 透からなるスーパー・トリオ、アリスが再結成!
メンバー選曲による初のオールタイム・ベスト
『ALICE 30 SONGS 〜member's best selection〜』でその軌跡を振り返ろう。

(初出『Groovin'』2009年7月25日号)

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 谷村新司、堀内孝雄、矢沢 透の3人によって結成され、70年代後半から80年代初頭にかけて旋風を巻き起こしたスーパー・トリオ、アリス。美しいメロディーと骨太なコーラス・ワーク、そして力強い演奏に彩られた名曲の数々は、時を経た今なお色褪せることはない。1981年の活動休止後はそれぞれがソロとしてキャリアを築いてきた彼らが、さらなる貫禄を携え、シーンの最前線に帰ってきた。これまで短期間での再結成はあったものの、本格的な活動再開は今回が初めて。7月24日の北海道厚生年金会館大ホールを皮切りに、"ALICE LIVE ALIVE 2009 〜I'm home〜"と銘打たれた28年ぶりとなるツアーがスタート、ツアー・ファイナルとなる11月14日の日本武道館公演まで、約4ヶ月にわたって日本全国をくまなくサーキットする。様々な べテラン・グループが復活し、にわかに再結成ブームに沸く昨今のJ-POPシーンだが、アリス再結成のニュースは、まさに"真打ち登場"といったところだろう。今年で全員が還暦を迎える彼らが、2009年の後半戦を盛り上げてくれそうだ。
 さて、第2の黄金期を迎えているアリスの軌跡を、一気に振り返ることのできるベスト・アルバムがリリースされた。『ALICE 30 SONGS 〜member's best selection〜』と冠された今作は、メンバー自らの選曲・監修による、レーベルの枠を越えた初のオールタイム・ベスト。初期の名曲から再結成時のシングルまで、彼らの歩みをギュッと凝縮した構成となっている。一躍ブレイクを果たし、その人気を揺るぎないものとした記念すべきナンバー「冬の稲妻」、絶頂期のさなかにリリースされた自身最大のヒット曲「チャンピオン」、堀内孝雄がメイン・ヴォーカルを務めた珠玉のバラード「遠くで汽笛を聞きながら」といったグループの代名詞的な楽曲はもちろん、彼らにとって初めてのヒット曲となった「今はもうだれも」、ファンの間で人気の高い初期の名曲「明日への讃歌」、1978年に公開された藤田敏八監督作品の『帰らざる日々』の主題歌としても印象深い「帰らざる日々」、活動休止前の最後のシングルとなった1981年の「エスピオナージ」、2001年に再結成した際に発表した「ライトハウス」等、そのヒストリーを語る上で欠かすことのできない名曲が満載だ。
 "音楽は心のタイムマシーン"とはよく言ったもので、たとえ熱心なアリス・ファンでなくとも、これらの名曲にノスタルジーをかきたてられる人は多いはず。「チャンピオン」や「冬の稲妻」といった時代を風靡した大ヒット曲はもちろんのこと、学園ドラマの金字塔『3年B組金八先生』第1シリーズの「十五歳の母」の回で挿入歌として流された「秋止符」なども、青春の一幕を思い出して胸がチクチクする1曲だ。心の記憶に寄り添うメロディーの数々で、あの頃の自分と再会してみてはいかがだろう。
 それぞれが歳を重ね、また3人揃って新たなスタート地点に立ったアリス。大盛況中の全国ツアーに続き、2001年の『ALICE 0001』以来となるスタジオ・アルバムの制作にも期待したいところだ。もう還暦?いや、まだ還暦。再び歴史を刻み始めたスーパー60歳の活躍に注目しよう。

Text by 池 佐和子

『ALICE 30 SONGS 〜member's best selection〜』
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EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD(2枚組)
TOCT-26842〜3
¥3,500(税込)
メンバー自らの選曲・監修による、レーベルの枠を越えた初のオールタイム・ベスト。「冬の稲妻」「チャンピオン」「遠くで汽笛を聞きながら」といった代表曲はもちろん、初期の名曲や再結成時のシングルなど、長年にわたるキャリアを凝縮したファン必携のアイテム。

【アリス スペシャルサイト】http://www.emimusic.jp/alice/

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