コルビー・キャレイ of Groovin2009

ARTIST PICK UP

コルビー・キャレイ

日本でのデビュー盤リリースから1年。活動の場を広げ、
自分の殻を飛び出したココは、少し大人びた
チャーミングな笑顔で歌う。ありのままの、彼女の歌を。

(初出『Groovin'』2009年8月25日号)

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 セピア色の石畳が続く欧州の旧市街と、まばゆい空色の海が広がる砂浜。その両方に、「お互いがいるべき所にいて、帰る場所もあって。そんな親友に恋をした僕らはツイてるんだよ」というやさしい歌声が響く。
 遠距離恋愛を穏やかに、かつほんのり寂しげに歌う「ラッキー」で、私は初めてコルビーに出会った。ジェイソン・ムラーズとともにPVへ出演しているのだが、特にコルビーのほほえみが、透明な波打ち際の風景さえ色褪せたものに変えてしまうほどの鮮やかさを放っていた。祈るように囁き歌うムラーズももちろん魅力的なのだけど。
 ファースト・アルバム『ココ』で、陽だまりの匂いにも似た心地良い楽曲を届けてくれてから早1年。彼女の代名詞ともなった「バブリー」ではにかみながらギターを爪弾いていたココ(ぴったりの愛称だよなぁ)は、飾らない笑顔と等身大の言葉をそのままに、大きく活動の幅を広げた。テイラー・スウィフトとのデュエット(この2人の会話がまたカワイイ!)、北京五輪応援歌の作曲、それから冒頭のムラーズとのコラボ。それは彼女にとってはとてつもなく刺激的な日々で、おそらくこの制作にも多大な影響を与えたのだろう。"ブレイクスルー"というアルバム名は、「制作を振り返ってみたら、自分の殻を飛び出していることに気付いた」ということに由来しているそうだ。常に自然体な彼女らしい話に、思わず顔がほころぶ。
 リード・トラックの「フォーリン・フォー・ユー」は、確かに今までのコルビーとはひと味もふた味も違った。けれども、ちゃんとコルビーだ。耳をくすぐるアコースティック・ギターの音に、ゆったりとつづられる歌詞。難しい単語は一切なくて、普段何気なく使っている言葉がひしりと胸に迫ってくる。彼女の言葉が魔法のように聴こえるのは、日常に魔法がかかる瞬間…この場合は「好き」を意識した一瞬をありのままに描いているからなのだろう。これがココなのだ、きっと。
 殻を破って出た双葉は、陽だまりの中を青空に向かって伸びていく。ココの歌には、本当に青空がよく似合う。

Text by 柴 友里

『ブレイクスルー+7』
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ユニバーサル インターナショナル
発売中
CD
UICU-1187
¥2,200(税込)
活動の幅を広げたココから届いたのは、新しくも変わらないココの歌。リード・トラック「フォーリン・フォー・ユー」他、ジェイソン・ムラーズとのコラボ曲も含む全19曲(日本盤ボーナス・トラック7曲を含む)とヴォリュームもたっぷり。心地良い歌声とギターの音に、自然と笑顔になれるだろう。

【コルビー・キャレイ メーカーサイト】http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/colbie_caillat/index.html

爽やかな太陽の陽射し、途絶えることのない波の音…。
そこにピッタリのサーフ・ミュージックがあれば、もう他には何もいらない!
弱冠20歳前後の若手からヴェテランまで、おすすめの6作品をご紹介。

Fun Fun Fun File

Ride The Wild Surf

Text by 秦 理絵(編集部)

アシュリー・マニックス
『アシュリー・マニックス』
アシュリー・マニックス-J.jpg
ポニーキャニオン
発売中
CD
PCCY-01928
¥2,415(税込)

外国人の21歳は日本人の同い年と比べても大人びた印象があるが、彼女の太陽のような笑顔と少女のような歌声には少し幼さすら感じてしまう。オーストラリアで大注目の新人シンガー。11歳の頃にギターを手にし、旅をしては曲を書き、ライヴで披露するという生活の中で培われた実力は本物だ。日本盤はボーナス・トラック4曲収録。

O.S.T.
『THE PRESENT』
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ポニーキャニオン
発売中
CD+DVD
PCCY-01929
¥3,300(税込)

トーマス・キャンベルが描く最新サーフィン・ドキュメンタリー映画のサントラ盤。トミー・ゲレロ、マトソン2らを始めとするオーガニック・ロック、ジャズ・ナンバーに揺られながら、波と共に生きるサーファー達に想いを馳せる。メイキング映像などを収録した特典DVD付き。日本盤はボーナス・トラック1曲収録。

スティーヴ・アップルトン
『ザ・サン・カムズ・アップ』
スティーヴ・アップルトン-J.jpgBMG JAPAN
発売中
CD
BVCP-40054
¥1,995(税込)
※2ヶ月限定スペシャル・プライス

あらゆる楽器を演奏し、楽曲制作はもちろん、ステージのプロデュースまで全てこなしてしまう天性のミュージシャン。で、しかもカッコイイ!アコースティックでありながらクラブ仕様に仕上げた踊れるパーティ・ミュージックは、ジャンルを意識せずに育ったという彼ならではの感性だ。日本盤はボーナス・トラック2曲収録。

トミー・ゲレロ
『ライフボーツ・アンド・フォリーズ』
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バウンディ
発売中
CD
DDCB-12509
¥2,650(税込)

日本独占リリース。リズム先行の曲作りや、ポップ・フォーマットから距離を置いたアプローチが、ここに来てトミー・ゲレロに新たな魅力を加えた。タイトルのLifeboats(救命ボート)とは音楽を、Folliesとは愚かな考えや行為を指し、まさに"人生の陽と陰"を表したアルバム。言葉がなくとも伝わる、それがトミーの音楽だ。

ヘイリー・セールズ
『サンシード』
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ポニーキャニオン
発売中
CD
PCCY-80061
¥2,310(税込)

レイドバックした心地良いテンポで刻むパーカッション。カナダはバンクーバー島から世界へと飛び出した女性シンガー・ソングライターの1st。優しく、大きな力で、何のストレスもなく耳をなでるその音は、自身もサーファーとして海を愛し、海を眺めながら楽曲を作るというスタイルの影響か。日本盤はボーナス・トラック1曲収録。PVエンハンスト収録。

ミシカ
『アバッヴ・ザ・ボーンズ』
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tearbridge
発売中
CD
NFCT-27162
¥2,300(税込)

Oh let us rise above the bones!!(私たちは祖先の骨の上に存在している)…ミシカの純朴な歌声とレゲエ・サウンドにのって届けられた4年ぶりのメッセージには、カリブの海上から放たれた愛と平和への祈りが込められている。俳優マシュー・マコノヒーと共に立ち上げたレーベルからの第1弾リリース。日本盤はボーナス・トラック2曲収録。


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