アリス・イン・チェインズ of Groovin2009

ARTIST PICK UP

アリス・イン・チェインズ

アリス・イン・チェインズが完全復活!
14年ぶりとなる新作を携え、シーンの最前線へ帰還。

(初出『Groovin'』2009年9月25日号)

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 伝説のバンド。アリス・イン・チェインズには、そんな形容が相応しい。1990年代に巻き起こったオルタナティヴ/グランジ・ムーヴメントの一派として語られることの多い彼らだが、そのサウンドはグルーヴ・メタルとも言えるもので、ニルヴァーナやパール・ジャムといった個性派バンドがひしめきあうシーンの中でもひときわ異彩を放つ存在だった。だが、商業的な成功を収める一方で、メンバーのドラッグ問題も深刻化。不安定な活動の末、ついにはフロントマンのレイン・ステイリーがオーヴァードーズで急逝するという悲劇に見舞われ、活動休止を余儀なくされてしまう。一世を風靡したバンドの光と影。そのあまりにも残酷なコントラストが、彼らを伝説と言わしめる一因なのかもしれない。
 2002年のレイン・ステイリーの死後、シーンからフェイドアウトしてしまった彼らだが、2006年に新シンガーのウィリアム・デュヴァールを迎え、本格的な活動を再開。同年7月には「UDO MUSIC FESTIVAL」へ参戦し、13年ぶりとなる日本公演も行っている。そして新生AICとして着々と地盤を固めてきた彼らが、実に14年ぶりとなるスタジオ・アルバム『ブラック・トゥ・ブルー』をリリースする。本稿執筆時点で上がっている音源は、先行シングルの「チェック・マイ・ブレイン」と「ア・ルッキング・イン・ヴュー」の2曲のみなのだが、そのどちらも彼ら独特の〈重厚なうねり〉や〈不協和音すれすれのアンサンブル〉をバッチリと備えており、満を持した復活アルバムがブランクを感じさせない仕上がりとなっていることは間違いないだろう。また今作には、エルトン・ジョンがゲスト参加している点も、大きな話題のひとつ。この異色の組み合わせは、レインへの追悼曲でもあるタイトル・ナンバー「ブラック・トゥ・ブルー」で聴くことができる。一見接点のないようにみえる両者が、どのようなコラボレーションを繰り広げているのか、ファンならずとも気になるところだ。シーンの最前線へ帰ってきた彼らの復活作に注目しよう。

Text by 池 佐和子

『ブラック・トゥ・ブルー』
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EMIミュージック・ジャパン
9月30日発売
CD
TOCP-66907
¥2,300(税込)

ラッシュやフー・ファイターズらとの仕事で知られるニック・ラスクリネスをプロデューサーに迎えた、約14年ぶり通算4枚目となるスタジオ・アルバム。2002年に他界したレイン・ステイリーへ捧げたタイトル・ナンバーには、あのエルトン・ジョンが参加!日本盤はボーナス・トラック1曲収録予定。

【アリス・イン・チェインズ メーカーサイト】http://www.emimusic.jp/artist/aliceinchains/

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