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©"April Bride" Project
余命ロゴ.jpgドキュメンタリー番組で反響を呼んだ『余命1ヶ月の花嫁』が映画化。
人を愛する想いと笑顔は、人に生きる力を与える。

(初出『Groovin'』2009年10月25日号)

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 まずはこの映画が実話に基づいたお話だという事、そこをしっかりと受け止めて観てもらいたい。乳がんに侵され、24歳という若さでこの世を去った長島千恵さんが、迫り来る命の期限にも前向きに、メディアを通じて若年性乳がんの病状について、検診の大切さ、そして生きることの素晴らしさを身をもって教えてくれたドキュメンタリー番組『余命1ヶ月の花嫁』。2007年にTVオンエアーされ、多くの反響を呼んだこの実話が2年の時を経て映画化、千恵役に榮倉奈々、千恵の恋人・太郎役に瑛太を配役し、実話のリアリティを大切にしながら、ドキュメンタリーでは細かく語られる事のなかった2人の心理描写までも繊細に、力強く描き出した。
 事実が映し出される重みのあるドキュメンタ

リーに対し、映画は役者が演じることで作り出す映像世界。その重みの差に観るまでは多少なりの不安は覚えたが、主演2人の雰囲気や、空気や距離感がドキュメンタリーさながらの自然なものだったので、すんなりと物語に入り込んでいく。
余命1ヶ月の花嫁サブ1.jpg幸せな笑顔も、苛立ちも、うつろな瞬きも、痛みに悶えながら恋人の名を叫ぶ姿もありのままの千恵の姿であり、彼女の病を我が身のように受け止め、ありったけの愛情で支える太郎の強く広い心もまたリアリティをもって胸に迫り来る。純白のウエディング・ドレスに身を包んだ千恵、彼女を優しい眼差しで見つめる太郎…つい病気を忘れてしまうくらい幸せに満ちた感動のシーンに、出来るならスクリーンの中だけの

お話であって欲しいと願い、涙を拭う…。
 しかし。もし誤解を恐れずに言わせてもらえるなら、最愛の人と共に最期まで病気と闘えたこと、親族や友人たちの笑顔に見守られた千恵さんの余命の日々は、痛みや苦しみと共存しながらも一方では幸せも感じていたのではないだろうか。命の尊さを痛感しているからこそ命を無駄にしない、取材を通して闘病の姿をさらけ出し完全燃焼した人生は誇れるものだと思う。そんな千恵さんの勇気を無駄にしないためにも、1人でも多くの人がこの映画に触れてくれたらと切に願う。
余命1ヶ月の花嫁サブ2.jpg

Text by 浜田幸子(編集部)

『余命1ヶ月の花嫁』
余命1ヶ月の花嫁-J差し替え.jpg

TBS/
ハピネット
11月6日発売
DVD
[メモリアル・エディション]2枚組
BIBJ-7830
¥7,140(税込)
[スタンダード・エディション]
BIBJ-7831
¥3,990(税込)
ドキュメンタリー番組から映画化の運びとなった『余命1ヶ月の花嫁』。乳がんを発症に24歳という若さでこの世を去った長島千恵さんが残した命のメッセージを、この物語を通して感じて欲しい。メモリアル・エディションは、映画Discとドキュメンタリー番組などを収録したドキュメントDiscの2枚組、メモリアル・アルバム付きワンピースBOX。

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