SUMIYA'S STANDARD Vol.10 of Groovin2009

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構成:土橋一夫(編集部)
Text by 松本昭仁/小島康久/土橋一夫(編集部)

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SUMIYA'S STANDARDとは…?
「歌は世に連れ、世は歌に連れ」ということばがあるが、音楽はいつの時代でも、人それぞれのBGMとして「思い出」の中から聴こえてくる。子供の頃は初めて家に届いたテレビの中で動く歌手の姿と重なり、青春時代にはメッセージが織り込まれたフォークだったりしたものだ。ある人にとっての初恋の歌が、ある人にとっては失恋の歌であったり、音楽は人それぞれの記憶の中で幾色にも変化していく。
 そんな時間を切り取ってみたり、あるいは積み残された何かをあらためて探したり、その背景にふさわしいと思われる「名曲」「名盤」「定盤」を自由自在に切り取ったのが、このSUMIYA'S STANDARD。ここに掲載したのはほんの一部。ここに載せきれない様々な音楽たちがお店で待っています。
 僕はこう思う、私はこう思う、とこれを読まれた皆さんが「音楽」への思いを甦らせて下されば嬉しいのですが…。そんな事を願って。

SUMIYA'S STANDARD Vol.10

■今回のテーマ:TVやラジオでよく耳にする時代を超えた名曲
9月初めのビートルズ・リマスター盤リリース効果もあってか、このところ特にテレビ番組やCM、そしてラジオなどからビートルズをはじめとする1960〜70年代の洋楽のヒット曲を耳にすることがより多くなった気がします。確かにこの時期の洋楽は、日進月歩のレコーディング技術とも相俟って、新しいサウンド作りに多くのアーティスト達が挑んでいた時期であり、その結果インパクトのある優れた楽曲が多く発表されました。その斬新なサウンドや美しいメロディは何十年を経た今も色褪せず、よってメディアでは第一線で今なおオン・エアーされ続けているのです。そんな時代の好盤の中から今回は10作品をご紹介します。当時を知らないリスナーでも、恐らく一度はどこかで耳にしたことのあるものばかりだと思います。

(初出『Groovin'』2009年10月25日号)

ナック
『ゲット・ザ・ナック』
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EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-53088
¥1,800(税込)
「待ったぜヒーロー、やったぜナック!」という秀逸なキャッチ・コピーが当時日本での彼らの売り出し文句。1979年に発売されたこのデビュー・アルバムは、ビルボードで堂々の6週連続第1位を記録。そしてこのアルバムを名盤たらしめている訳は、大ヒット・シングル「マイ・シャローナ」収録にある。シンプルなメロディー、タイトル連呼のキャッチーさとあのギター・ソロがギタリストでなくても悦を感じるところで、永遠のロックの名曲に他ならない。でも、実は「グッド・ガールズ・ドント」を筆頭に粒ぞろいの楽曲が多数収録されていて、今なおフレッシュな魅力に溢れていることも忘れてはならない。
(松本)

※紙ジャケット仕様(TOCP-70592/¥2,600 [税込]/限定盤)も発売中。

アル・クーパー
『赤心の歌』
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SMJI
発売中
CD
MHCP-851
¥1,785(税込)
1973年にリリースされた6thソロ・アルバム。今や世代を超えた名曲として人気の「ジョリー」を収録していることで知られる本作だが、グルーヴィーなナンバーからちょっとブルース的なものまでサウンドの幅も広く、しかも無駄のないアルバム構成には驚かされる。アル・クーパー未聴の若い世代には、まずはレア・グルーヴの基本とも言うべき「ジョリー」から入ることを是非お薦めしたい。彼の音楽には、サウンド的な実験と共に様々な要素のルーツ・ミュージックが内包されており、本作ではその一端を窺い知ることが出来る。繊細さと大胆さのバランスも良く、時代を超えて愛される名盤だ。(土橋)

※Blu-spec CD(SICP-20040/¥2,500 [税込]/限定盤)も発売中。

エレクトリック・ライト・オーケストラ
『ディスカバリー』
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SMJI
発売中
CD
SRCS-9848
¥1,785(税込)
希代のメロディー・メイカーであるジェフ・リン(Vo, G)を中心に結成されたELOの傑作。前作(これも傑作)はストリングス・セクションは6人であったが、本作では3人となった代わりに最新技術を駆使し、当時大流行していたディスコの要素もちりばめながら、最高のサウンドを作り上げた。1979年作品。(小島)

※Blu-spec CD(EICP-20006/¥2,500 [税込]/限定盤)や
紙ジャケット仕様(MHCP-1159/¥1,980 [税込]/限定盤)も発売中。

クイーン
『オペラ座の夜』
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EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-67845
¥2,548(税込)
名曲「ボヘミアン・ラプソディ」を含むコンセプト・アルバムで初期の超名盤。1975年作品。シンセサイザーを一切使用せず、ヴォーカル、ギターの多重録音で、非常に緻密で華麗な作品になっている。メンバー全員が作曲を手がけ、ヴァラエティ豊かな名曲揃い。リマスターされ、より奥深さを堪能できる。(小島)

※紙ジャケット仕様(TOCP-67344 /¥2,600 [税込])も発売中。

ジョン・レノン
『イマジン〜ミレニアム・エディション〜
<リミックス&デジタル・リマスタリング>』
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EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-65522
¥2,548(税込)
1971年、ジョン・レノンが発売した自己最大のヒット作。タイトル曲「イマジン」が現世の永遠のテーマ曲かと思われる程、全世界の人々の心に深く入り込んでいるのは確か。また、彼が亡くなった後、「ジェラス・ガイ」をロキシー・ミュージックがカヴァーし、ヒットさせている。(松本)

ジョージ・ハリスン
『オール・シングス・マスト・パス
〜ニュー・センチュリー・エディション〜』
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EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD(2枚組)
TOCP-65547〜8
¥3,670(税込)
フィル・スペクターのプロデュースによって、ビートルズの解散後、最も華々しくリスタートを切ったジョージ・ハリスンの代表作(1970年)。このニュー・センチュリー・エディションは2001年にリリースされたニュー・リマスタリング盤で、色鮮やかに当時のサウンドが蘇った。追加曲もあり。(土橋)

エリック・カルメン
『ベスト・オブ・エリック・カルメン』
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RCA/JIVE
発売中
CD
BVCM-37337
¥1,890(税込)
元祖パワー・ポップ・バンドのラズベリーズ解散後、ソロとして活動。幼少期からクラシック(Vn, P)に触れ、その後はビートルズやビーチ・ボーイズを聴き、ロックに目覚める。代表曲の「オール・バイ・マイ・セルフ」は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をモチーフに作曲された壮大なバラード。(小島)

ドアーズ
『ハートに火をつけて』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-75073
¥1,800(税込)
ジム・モリソンという超カリスマ・ヴォーカリストを擁した1967年のデビュー作。スキャンダラスなステージングや言動が注目された一方、非常に詩的で文学性の高い歌詞と幻覚的なサウンドは今も異彩を放つ。「ハートに火をつけて」「ジ・エンド」等、名曲も多数収録されている。(松本)

※SHM-CD(WPCR-13280/¥2,300 [税込]/限定盤)や
紙ジャケット仕様(WPCR-12716/¥2,300 [税込]/限定盤)も発売中。

ステッペンウルフ
『ワイルドで行こう
〜ベスト・オブ・ステッペンウルフ』
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ユニバーサル
インターナショナル
発売中
CD
UICY-1512
¥1,835(税込)
1969年公開の大ヒット映画『イージー・ライダー』のテーマとしても知られ、今なおTVなどでもよく耳にする名曲「ワイルドで行こう」を中心に編集された、ステッペンウルフのベスト盤。しかも「ワイルドで行こう」のライヴ音源までを含む計18曲が収録され、彼らのロックなサウンドを堪能できる優れた1枚だ。(土橋)


デレク・アンド・ドミノス
『いとしのレイラ』
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ユニバーサル
インターナショナル
発売中
CD
UICY-6203
¥1,680(税込)
エリック・クラプトン、ジム・ゴードンらを擁し、アルバムは1970年に本作だけをリリースしてシーンから消えたデレク・アンド・ドミノスの名盤中の名盤!何と言っても名曲「いとしのレイラ」収録で知られるが、クラプトンを知る上でも最重要な1枚だ。ブッカー・T&プリシラの『クロニクルズ』も併せてチェック!(土橋)

※SHM-CD(UICY-91397/¥2,000 [税込]/限定盤)も発売中。

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