編集長のおすすめ! of Groovin2009

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杉LOVE MIX-A.jpg 今回のこのコーナーでは、10月28日にリイシューされる杉真理のアルバム『POP MUSIC』『LOVE MIX』を取り上げよう。杉真理は2007年にデビュー30周年を迎え、その一環として1977年のデビュー作『Mari & Red Stripes』からソニー時代の『Flowers』(1993年発表)までのソロ・アルバム計14枚をはじめ、須藤薫&杉真理による『POP 'ROUND THE WORLD』、ピカデリーサーカスの『Piccadilly Circus』『Summer of Love』、BOXの『BOX POPS』『Journey To Your Heart』、そして杉真理を中心として制作されたオムニバス・アルバム『Winter Lounge』『Summer Lounge』、関連作として杉真理が多くの曲を提供した須藤薫のアルバムなど計30作以上が、紙ジャケ仕様/ボーナス・トラック追加のデジタル・リマスタリングで発売された。さらに昨年1月には新作『魔法の領域』を発表、5月には30周年記念ライヴも渋谷O-EASTにて行われ、安部恭弘、村田和人、伊藤銀次、須藤薫、松尾清憲、谷口守、堂島孝平、黒沢秀樹、シークレット・ゲストとして根本要、佐野元春を迎えてのステージは、日本のポップ・シーンをまるで俯瞰で見て楽しむような最高のものになった。中でもアンコールで佐野元春、杉真理、伊藤銀次がVoをとった「A面で恋をして」は、ナイアガラ・ファンも満足の素晴らしいものだった。
 さてこのデビュー30周年プロジェクトの中で、唯一クローズアップされていなかった今世紀初頭のソロ・アルバム『POP MUSIC』『LOVE MIX』が、満を持してリイシューされることになった。ソニーを離れ、自身のプロジェクトを立ち上げながら主にプロデュースや曲提供、CM制作などを行う傍ら、ピカデリーサーカスとしてデビューしたのが1990年代後半からの時期だったが、その中で再びソロへの動きが活発化し、その結果オーマガトキから2001年と2002年にリリースされたのが、今回リイシューされる『POP MUSIC』『LOVE MIX』だった。
 『POP MUSIC』は前作『FLOWERS』から約8年ぶりに発売された15thソロ・アルバムで、ピカデリーサーカスなどのバンド活動を経て、逆にソロ色がより強まった作品だ。カラフルなポップ・ミュージックとビートルズ・テイスト、ジェイムス・テイラーなどのフィーリングを受け継ぐSSW風味と様々なタイプを楽しめる。今回は新たにボートラとして未発表曲(「幸せなアンサー」「Happy Home」)を含む5曲を追加。なお「This Magic Moment」は元々は大瀧詠一がプロデュースした渡辺満里奈のアルバム『Ring-a-Bell』(1996年発表)用に当時書き下ろされたもので、諸事情があってアルバムには収録されなかったが、後に須藤薫&杉真理のミニ・アルバム『君の物語』で取り上げられ、初めて陽の目を見た作品だ。今回収録したものは、杉Voによるオリジナル・デモ。
 また16thソロ・アルバム『LOVE MIX』(2002年発表)は、当時「Kit Kat」CMソングとして話題を呼んだ「雨の日はきっと」をはじめ、本作発表の前年に亡くなったジョージ・ハリスンへの追悼の意を込めた「静かなヒーロー」、ライヴでの定番曲「太陽が知ってる」「世界の中心」「ジェリービーンズ・ガール」など、ポップなものからロック、SSWテイストのものまで様々なタイプの楽曲が揃った作品だ。ボートラの5曲は全て新録で、中でも現在ゴスペラーズのヴァージョン(オリジナルは石川さゆり)でサントリー角"ハイボール"のCMソングとしてもO.A.されている「ウイスキーが、お好きでしょ」を、今回作曲者の杉自身が歌うSelf Cover Versionとして収録!これは要チェックだ!

Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2009年10月25日号)

杉 真理
『POP MUSIC』
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オーマガトキ
10月28日発売
CD
OMCA-5028
¥2,500(税込)

2001年リリースの15thソロ・アルバムが、24ビット・デジタル・リマスタリング/ボーナス・トラック5曲追加の完全生産限定盤/紙ジャケ仕様で遂に再発!しかも未発表曲も収録。ピカデリーサーカスなどの活動を通して逆にソロとしてのテイストが強まった、杉真理らしい美しいメロディとビートと、煌めくアイディアが詰まった充実作。

杉 真理
『LOVE MIX』
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オーマガトキ
10月28日発売
CD
OMCA-5029
¥2,500(税込)

2002年発表の16thソロ・アルバム。「Kit Kat」CMソングの「雨の日はきっと」、ジョージ・ハリスンへの追悼の意を込めた「静かなヒーロー」などをはじめ、全編を通じてカラフルなポップ・ミュージックを楽しめる。ボートラ5曲は全て新録で、サントリー角"ハイボール"のCMソングとしてお馴染みの「ウイスキーが、お好きでしょ」のセルフ・カヴァーは必聴!

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