Chara of Groovin2009

ARTIST PICK UP

Chara

稀代のシンガー・ソングライター、"唯一無二の声"の系譜に連なる1人。
Charaが贈る、儚くもうつろいやすい愛のカタチ。

(初出『Groovin'』2009年12月25日号)

Chara-A.jpg

 唯一無二の声、というものがある。ポピュラー・ミュージックの長い歴史の中で、スペシャルと言われてきたアーティストたちの多くは他に類しない独自の声を持っている。ジャニス・ジョプリン、ボブ・ディラン、キャロル・キング、マーヴィン・ゲイ…。歌唱の上手い、下手というより、圧倒的に聴く者の心に響く声、音を生み出す力に長けている彼らは末永く愛される音楽を生み出し続けている。
 日本のミュージック・シーンにおいても、同じ事が言える。松任谷由実、矢沢永吉、竹内まりや、氷室京介など稀代のアーティストたちがその歴史に名を刻んできた。そして、1991年のメジャー・デビュー以来、その圧倒的な独自性とアーティスト性を失わずに歩み続けるシンガー・ソングライター、Charaも"唯一無二の声"の系譜に連なる1人と言っても過言ではないだろう。
 前作『honey』から1年6ヶ月ぶりのオリジナル・アルバムがここに到着。その間にリリースされたミニ・アルバム『kiss』がカヴァー曲も含め、素晴らしい内容であっただけに、本作の期待感は相当に上がっていたはず。『CAROL』と名付けられた本作では、プロデューサー陣に蔦谷好位置、亀田誠治、渡辺善太郎、鳥山雄司、Swing-o a.k.a 45という豪華な布陣を各曲で迎え、新たな色合いを作品に与える事に成功。また、大ヒット漫画を映像化した話題のTVアニメ『君に届け』の主題歌として提供した「片想い」の切なく響く音像によって、さらに多くの人に本作を耳にする機会を与えたのではないだろうか。「Gift」に始まり、「CAROL」で幕を閉じる全12曲は、儚くうつろいやすい人の心やいろいろな意味の愛を、情感と情景を喚起させる言葉で紡いでいく。彼女の飾らず、この瞬間にリーチする言葉と音の粒のクオリティの高さは感嘆の一語に尽きる。長いキャリアの中で常にその瞬間にリアルであるという事は、アーティストとしてしっかり時代性を掴んでいるという事。そんな彼女の歌には圧倒的な信頼感がある。
 年明け2〜3月にはツアーも予定されている。日本が誇る稀代のアーティストの今を確かめに行くチャンスを逃さずに。

Text by 中野智人

『CAROL』
Chara-J初回盤.jpg




ユニバーサル シグマ
発売中
CD
[初回限定盤]DVD付 UMCK-9313 ¥3,600(税込)
[通常盤]UMCK-1338 ¥3,000 (税込)
1年6ヶ月ぶりのニュー・アルバムは話題のTVアニメ『君に届け』主題歌「片想い」を含む全12曲。儚くうつろいやすい人の心やいろいろな意味の愛を、情感と情景を喚起させる言葉で紡いでいく。初回限定盤は Charaのオフショット映像+インタヴューを収録したDVD付き。

【Chara 公式サイト】http://charaweb.net/

inserted by FC2 system