FPM of Groovin2009

Fantastic Plastic Machine改め〈FPM〉が、
デビュー15周年イヤーに向けてニュー・アルバムをドロップ！

（初出『Groovin'』2009年12月25日号）

　プロデューサー、DJとしてワールドワイドな活動を展開している田中知之のソロ・プロジェクト、Fantastic Plastic Machine。ジャンルという固定された概念に縛られる事のないサウンドで日本のクラブ・ミュージック・シーンをリードするとともに、ファッション業界のクリエイターからも厚い信頼を獲得。オシャレの発信源として、アンテナ感度の高い人々からの注目度は抜群だ。2010年にめでたくデビュー15周年を迎える彼だが、大きな節目となるアニヴァーサリー・イヤーを前に、アーティスト名を通称として親しまれてきた〈FPM〉に正式変更。そして、その名をタイトルに冠したニュー・アルバム『FPM』をリリースした。
　前作『imaginations』以来、約4年ぶり通算6枚目のオリジナル・アルバムとなる今作の注目ポイントは、何といっても豪華なゲスト陣。FPMの音楽に影響を受けてきたというMONKEY MAJIKをはじめ、世界最大規模のDJバトル〈DMC〉のチャンピオンの実績を持つDJ YASA、ダフト・パンク一派としてお馴染みのベンジャミン・ダイアモンド、フランツ・フェルディナンドも絶賛するベルリン発のエレクトロ・デュオ、KISSOGRAM、モデルやデザイナーとしても活躍するフランス出身のLYOKI、坂本龍一やビョークらの作品でも知られるサックス奏者の清水靖晃、そして、あの山本モナら、世界に名を馳せるビッグ・ネームからお騒がせアナウンサーまで、ジャンルも国境も飛び越えたヴァラエティ豊かな顔ぶれが揃っている。開放感たっぷりの音世界が広がるMONKEY MAJIKとのコラボ・トラック「Without You」を筆頭に、多彩なアーティストをフィーチャーした楽曲群は、何が飛び出すか分からないビックリ箱のように刺激的。様々な音楽を消化吸収し、幅広いフィールドで活躍してきた彼の最新型アルバムここにあり、といったところだ。
　とてつもない充実度を誇るこの『FPM』を携えて、2010年のスタートを切るFPM。彼の飽くなき挑戦はまだまだ続く。

Text by 池 佐和子