居酒屋JAZZ of Groovin2009

お酒、おツマミ、そしてジャズ。この関係は意外とイケるのです。
ほどよいジャズが酔い誘う。今夜もHOME居酒屋、開店です!

Fun Fun Fun File

居酒屋JAZZ

(初出『Groovin'』2009年12月25日号)

 皆が集い、大いに飲んで食べる。安価に楽しい一時が過ごせる場所、それが居酒屋。まさに忘年会時期終盤の12月、どの居酒屋も大盛況でしょう。そんな居酒屋で"ジャズ"が肴になって、少し時間が経ちます。考えてみると、此処にジャズを持ち込んだ発想は本当に素晴らしいと今更ながら感心します。昔からジャズと云えば"喫茶"と相場は決まっていたもの。当然店名はジャズ・アーティストの名前にちなんだもの(ミンガスとかベイシーなど)が付けてあり、店内にグランド・ピアノの1台も置いてある。時にちょっとしたライヴ演奏もできる箱に他なりませんこの質感は割とすんなりと想像できると思います。超硬派なリスナーのための

隠れ家というイメージです。"私語厳禁"とかというルールもあったようですが…裏を返せば、それだけ能動的に"聴く"行為を行う、ジャズへの"至上の愛"なのだと理解しますが。
 しかし、今回ご紹介するアルバムはその喫茶イメージを打ち破る「居酒屋JAZZ」というアルバム。何ともライトな雰囲気のタイトルは御愛嬌、でも中身は本当に素晴らしく、脈々と聴き継がれてきた本物の音がココにあります!誰が聴いても美味しく"ジャズ"を食せるはずです。
 すこしだけ内容に触れてみましょう。このジャズ・コンピは、「ベツレヘム」「タイム」といったジャズ・レーベルからジャズ・ジャイ

アンツたちの歴史的名演を選りすぐりました。ジャズにとっては、この「レーベル」が結構大事で、店で云えば「暖簾」に相当するもの。どちらもジャズ・ファンをして、「隠れ名盤の宝庫」と言わしめたレーベルですが、活動時期は1950年代初頭〜1960年代初頭と短かったようです。そこからケニー・ドーハム、ベニー・グリーン、ズート・シムズ、デクスター・ゴードンなどの名演がチョイスされています。どの演奏もハッピーでリラクシングな雰囲気に溢れたものばかりです。まさにこの雰囲気が「居酒屋」感覚に通じているのだと妙に納得。
 この『居酒屋JAZZ』、本当にお勧めです!

Text by 松本昭仁

★好評発売中!

『居酒屋JAZZ 〜極上〜』
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ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICJ-61605
¥2,000(税込)
お酒×JAZZの美味しい関係に着目したコンピ、2009年6月リリース作品。大人のための上質なセレクトは当初から変わらない。ハービー・ニコルス「トゥー・クロース・フォー・カムフォート」などジャズ初心者にも聴いてもらいたい16曲を収録。



『居酒屋JAZZ 〜プレミアム〜』
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ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICJ-61584
¥2,000(税込)
2008年11月にリリースされた人気シリーズの初期作!今作も2大レーベルによるスタンダード・ナンバーを選りすぐった。ケニー・ドーハム「ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー?」、オスカー・ペティフォード「ボヘミア・アフター・ダーク 」など全15曲を収録。

『居酒屋JAZZ 〜至福〜』
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ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICJ-61616
¥2,000(税込)

至福の時間と空間を演出する究極のジャズ・コンピ、またまた登場!哀愁に満ちたケニー・ドーハムのトランペット、軽快にジャイヴするズート・シムズの豪快なサックス、ワン・ホーンを快調に吹きまくるデクスター・ゴードンなどなど、まさに美味しいジャズばかり。

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