編集長のおすすめ! of Groovin2009

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 今回のこのコーナーでは、最近リリースの新作を中心に9タイトルをご紹介します。特に今回の中で一番驚いたのは、1980年代に活躍したアイドル歌手、原めぐみさんの新録を含むCDの登場!それからテリー&フランシスコのテリー福山こと福山輝彦さん率いるフラッシュバックあの人のアルバムや、カーネーションの新作、待望の 『ベアズヴィル・ボックス』の再発など、盛りだくさん。是非すみや各店の店頭でチェックしてみて下さい。在庫していない商品はお取り寄せ致しますので、お気軽にスタッフまでどうぞ。

Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2009年12月25日号)

V.A.『ベアズヴィル・ボックス』
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ビクターエンタテインメント 発売中 
CD(4枚組)VICP-70131〜4 ¥10,000(税込)

1996年に国内リリースされるも即完売となり、以後長らくレア・アイテムとなっていた本作が、4枚組SHM-CDで待望の再発!しかも1996年盤では未収録だった5曲(世界初CD化3曲を含む)をボーナス・トラックとして追加し、パッケージ(資料・写真満載のブックレット付)や解説も全て新しくなって登場した(監修:長門芳郎)。ボブ・ディラン等のマネージャーだったアルバート・グロスマンが設立したベアズヴィル・レーベルは、トッド・ラングレンやボビー・チャールズ、ジェシ・ウィンチェスター、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ、 フェリックス・キャヴァリエなどの名作を輩出した名レーベル。ボビー・チャールズの名曲「スモール・タウン・トーク」のシングル・ヴァージョン(別テイク)等のレア・トラックやユートピアのライヴ音源などもいい音で楽しめる。まさにマスト・バイ!日本でのみのリリース(輸入盤なし)なので、どうぞお買い逃しのないように。

原めぐみ『EVERLASTING LOVE』
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クリンク 発売中
CD CRCD5017 ¥1,800(税込)

1980年にシングル「ボーイハント/許せないわ」でデビューしたシンガー、原めぐみ。トリオ〜ワーナーから計4枚のシングルを発表後、原江梨子と改名し、ソニー〜テイチクから計3枚のシングルを発表後、結婚・引退し、現在は輸入家具ショップのオーナーとして活躍する彼女が、2008年に発売された『音壁JAPAN』に「涙のメモリー」が収録されたことがきっかけとなって復活し、新曲をリリース!しかもフィル・スペクター直系のウォール・オブ・サウンドで、かつて彼女のシングル「見つめあう恋/涙のメモリー」をプロデュースした中村俊夫が本作も担当。新曲「トビラ〜EVERLASTING LOVE〜」に加え、「見つめあう恋」「涙のメモリー」、そしてかつて三遊亭円丈のカセット(1981年)にのみ収められていた「離さないで」(コニー・フランシスのカヴァー)、「トビラ〜EVERLASTING LOVE〜」のモノ・ミックスとカラオケを加えた6トラックを収録。スペクター・ファンにもお薦めの好作品。

フラッシュバックあの人『摩天楼と、蜃気楼』
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Coa Records 発売中
CD COAR-0055 ¥2,100(税込)

テリー&フランシスコのテリー福山こと福山輝彦と、山口洋輔から成るユニット、フラッシュバックあの人の1stアルバムが遂にリリースに。テリー&フランシスコ時代にも例えば伊藤銀次の名曲「こぬか雨」を、伊藤銀次本人をゲストに迎えてカヴァーして話題となったが、本作では宅録を中心としながら新たなアプローチで1970年代から脈々と続くポップ・ミュージックのテイストを提示している。まず目を惹くのは2曲のカヴァー・ナンバー。M-1の「DOWN TOWN」はお馴染みシュガー・ベイブの、またM-6の「さよならなんて云えないよ」は小沢健二のナンバーだが、どちらもメロディの美しさやポップさはそのままに大胆なアレンジが施されており、実に心地よく響く。彼ら流の拘りも感じられるサウンドは、一聴の価値ありだ。オリジナル作品でも勿論、ツボを押さえた展開が用意されており、AORやシティ・ポップスなどを意識したサウンドはこの辺りのフリークにもお薦めしたい完成度の高いものだ。

カーネーション
『Velvet Velvet』
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P-VINE RECORDS/バウンディ
発売中
CD
[初回限定盤]DVD付 
PECF-9001
¥3,900(税込)
[通常盤]PECF-3003
¥2,800(税込)

直枝政広&大田譲によるカーネーションの最新アルバムは、その圧倒的な存在感とポップさ+ロック魂が最高の形で融合した優れた1枚。コロムビア時代の旧譜も再発されて話題の彼らだが、本作に込められた熱と音楽的衝動は、世代を超えて訴えかける。ゲストの中原由貴(タマコウォルズ)や宮田繁男(元オリジナル・ラヴ)、大野由美子(Buffalo Daughter)らとの相性も抜群。新たなる名盤の誕生だ。

※[初回限定盤]のDVDには、「ジェイソン」「Velvet Velvet」のPVや本作のレコーディング・ドキュメントなどを収録。

ムーンライダーズ
『MOONRIDERS 30th Anniversary Live!』
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コロムビア
ミュージックエンタテインメント
発売中
Blu-ray
COXA-1003
¥7,140(税込)

以前『マニアの受難』Collector's Edition 30th Anniversary Premium BOXの中の1枚としてDVD化された30周年記念ライヴが、Blu-ray Discで再登場。しかもDVDには未収録だった「B TO F(feat. 青山陽一)」「MY NAME IS JACK(feat. 野宮真貴)」など6曲を追加収録!HD撮影の素材を基に、最新の機材を駆使してさらに高音質・高画質となった本作は、ファンならマストな1枚だ。

O.S.T.
『東京DOGS オリジナル・サウンドトラック』
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rhythm zone
発売中
CD
RZCD-46470
¥3,000(税込)

小栗 旬と水嶋ヒロ主演のフジテレビ系月9の大人気ドラマ『東京DOGS』のサントラが遂に登場。本作を手掛けたのは、綿矢りさ原作で話題となった映画『インストール』O.S.T.やTX系人気番組『セレぶり』シリーズの音楽も担当した、Nossaこと水野ノブヨシ&Ritaによる男女ユニット、Rita-iota(リタ・アイオウタ)。単なるドラマを盛り上げる音楽集ではなく、様々な音楽的バック・ボーンとテイストを楽しめる優れた1枚だ。

マイア・バルー
『地球をとってよ!』
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ラミュゼ/バウンディ
2010年1月13日発売
CD
DQC-408
¥2,000(税込)

フランスを代表するアーティストでありプロデューサーのピエール・バルーを父に持つマイア・バルーが、遂にデビュー・ミニ・アルバムを完成させ日本のシーンに登場!ポップさと様々な国の音楽的要素を織り交ぜた独特の音世界は、まさに新たなワールド・ミュージックといった趣。以前、代官山UNITで彼女のデビュー・ライヴを見たことがあるが、MCで発揮される楽しいキャラクターも必見だ。

ニール・ヤング
『ドリーミン・マン・ライヴ '92』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-13755
¥2,548(税込)

このところ、新譜に加えてアーカイヴ・シリーズやボックスなどリリースが続くニール・ヤング。本作は1992年にリリースされた名盤『ハーヴェスト・ムーン』からの曲で構成されたライヴ・アルバム。しかもその全てが彼1人によるアコースティック編成で収録されている。温かみ溢れる歌声とエレクトリックとはまた違った観客との一体感は鳥肌もの。彼本来の持ち味を十分に堪能できる、好ライヴだ。

スウィッシー
『シー・スマイルズ』
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プロダクション・デシネ/ヴィヴィド
発売中
CD
VSCD-9366
¥2,415(税込)

先月号もご紹介したが、素晴らしい作品なので再度掲載。オーストラリアで音楽活動をし、現在は母国フィリピンで活動する女性SSW、スウィッシーが2008年にレコーディングしたデビュー・アルバムが日本盤CD化。透明感溢れる声とソフト・ロック、AOR、ネオアコ、スウェーディッシュ・ポップスなどの影響を消化して生み出されたサウンドは、どこまでも爽やかで心地よい。憂いを秘めた彼女の歌声も最高!

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