構成 & Text by 土橋一夫（編集部）
SUMIYA'S STANDARDとは…？
「歌は世に連れ、世は歌に連れ」ということばがあるが、音楽はいつの時代でも、人それぞれのBGMとして「思い出」の中から聴こえてくる。子供の頃は初めて家に届いたテレビの中で動く歌手の姿と重なり、青春時代にはメッセージが織り込まれたフォークだったりしたものだ。ある人にとっての初恋の歌が、ある人にとっては失恋の歌であったり、音楽は人それぞれの記憶の中で幾色にも変化していく。
そんな時間を切り取ってみたり、あるいは積み残された何かをあらためて探したり、その背景にふさわしいと思われる「名曲」「名盤」「定盤」を自由自在に切り取ったのが、このSUMIYA'S STANDARD。ここに掲載したのはほんの一部。ここに載せきれない様々な音楽たちがお店で待っています。
僕はこう思う、私はこう思う、とこれを読まれた皆さんが「音楽」への思いを甦らせて下されば嬉しいのですが…。そんな事を願って。
SUMIYA'S STANDARD Vol.14
■今回のテーマ：遂に来日！キャロル・キング＆ジェイムス・テイラーの名盤
今回は、待望の来日公演が遂に決まったキャロル・キング＆ジェイムス・テイラーを取り上げましょう。アメリカを代表するシンガー・ソングライターであり、2人が古くから交流のあることは洋楽ファンの間では知られていますが、その2人がダニー・コーチマー（g）、ラス・カンケル（ds）、リー・スカラー（b）という最高のバンドを引き連れて4/14、16に日本武道館で日本公演を行います。これを待っていたファンも多かったことでしょう。そこでこの来日公演の予習も兼ねて、聴いておきたい12タイトルを選んでみました。どれも持っておいて損のない名盤ばかりです。中には最近リイシューされたBlu-spec CDや、ライヴDVDもありますので、これを機に揃えてみてはいかがでしょうか？
（初出『Groovin'』2010年2月25日号）
シティ
『夢語り』
SMJI
発売中
CD
EICP-20009
¥2,500（税込）
1960年代から作曲家としての活動を開始し、成功を収めたキャロル・キングがオード・レーベルと契約し、チャールズ・ラーキー、ダニー・コーチマーと共にシティとして1968年12月にリリースした唯一のアルバム。その後の大活躍のプロローグとも言える彼女らしいナンバーが詰まった名盤だ。ロジャー・ニコルズらが後にカヴァーした「SNOW QUEEN」のオリジナルも収録。
※限定紙ジャケ仕様（EICP-840／¥1,890 [税込]）や
通常盤（MHCP-255／¥1,785 [税込]）も発売中。
キャロル・キング
『つづれおり』
SMJI
発売中
CD
EICP-20003
¥2,500（税込）
彼女の代表作を1枚挙げるとすれば本作という方も多いことだろう。1971年にリリースされた2ndアルバムとなる本作は、15週連続全米1位を記録したまさにアメリカン・ミュージック史上に残る名盤中の名盤だ！本作がその後の女性シンガー・ソングライター作品の指針の1つになったと言っても過言ではないだろう。捨て曲は一切無く、しかも詞もメロディも完璧！
※2枚組の限定レガシー・エディション（EICP-988〜9／¥3,780 [税込]）や
通常盤（MHCP-257／¥1,785 [税込]）も発売中。
キャロル・キング
『ミュージック』
SMJI
発売中
CD
EICP-20032
¥2,500（税込）
1971年に発表された3rdアルバムで、全米1位を獲得。前作『つづれおり』のシンプルで落ち着いた雰囲気に比べると幾分ポップになった印象を受ける本作は、さらに幅広いサウンドやメロディ作りを目指していた意欲作でもある。特に1曲目の「ブラザー・ブラザー」は、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」にインスパイアされた作品として知られる。聴くごとに味わい深い1枚だ。
※限定紙ジャケ仕様（EICP-843／¥1,890 [税込]）や
通常盤（MHCP-258／¥1,785 [税込]）も発売中。
キャロル・キング
『カーネギー・ホール・コンサート』
SMJI
発売中
CD
MHCP-264
¥1,785（税込）
1971年6月18日にN.Y.のカーネギー・ホールにて行われたライヴを収録した本作は、長年未発表だったが、1996年に遂にCD化された。このライヴが行われた頃の彼女は、『つづれおり』がビルボード1位を獲得し、シンガー・ソングライターとしての第一人者へと階段を駆け上がった最高の時期だった。充実した選曲、そしてゲストで登場するジェイムス・テイラーとの共演も嬉しい。
キャロル・キング
『ラヴ・メイクス・ザ・ワールド
（デラックス・エディション）』
ビクターエンタテインメント
発売中
CD（2枚組）
VICP-64603〜4
¥3,000（税込）
2008年の「WELCOME TO MY LIVING ROOM TOUR」での来日に併せてリリースされた、未発表曲を含むボーナスCD付きのデラックス・エディション。セリーヌ・ディオン、k.d.ラング、ベイビーフェイスなど豪華ゲストを迎えて制作されたが、彼女ならではのテイストは変わらぬ光を放ち続ける。CDエクストラ仕様で、タイトル曲などのPVやメイキング映像、インタヴュー映像も収録。
キャロル・キング
『ベスト・ヒッツ・ライヴ〜
ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム』
ビクターエンタテインメント
発売中
DVD
VIBP-63
¥4,500（税込）
2005年にアメリカで行われた「リヴィング・ルーム・ツアー」の模様を余すところなく収録したライヴDVD。先行発売されたアルバム『ベスト・ヒッツ・ライヴ〜リヴィング・ルーム・ツアー』には未収録だった11曲も収録され（全22曲収録）、その他バックステージの様子やリハーサル風景、参加メンバーへのインタヴューなど特典映像も魅力的。来日公演の予習編としても重宝しそう。
ジェイムス・テイラー
『マッド・スライド・スリム』
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-75388
¥1,800（税込）
友人であるキャロル・キングの作品「きみの友だち」のカヴァー（全米1位を記録）を収録して大ヒットを記録した、1971年リリースの名盤（3rdアルバム）。温かみ溢れるその歌声は極めて魅力的に響き、同年にリリースされたキャロル・キングの『つづれおり』と共に本格的なアメリカにおけるシンガー・ソングライター時代の到来を告げた、記念碑的な1枚だ。
ジェイムス・テイラー
『ワン・マン・ドッグ』
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-75389
¥1,800（税込）
1972年にリリースされた4thアルバム。これまでの路線を引き継ぎながら、さらにセクションのメンバー（ダニー・クーチ、クレイグ・ダーギ、リー・スクラー、ラス・カンケル）による見事な演奏を融合させた名盤。もちろんキャロル・キングに加え、カーリー・サイモンやリンダ・ロンシュタットらもバッキング・ヴォーカルで参加。プロデュースはピーター・アッシャー。
ジェイムス・テイラー
『ワン・マン・ドッグ』
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-75389
¥1,800（税込）
1972年にリリースされた4thアルバム。これまでの路線を引き継ぎながら、さらにセクションのメンバー（ダニー・クーチ、クレイグ・ダーギ、リー・スクラー、ラス・カンケル）による見事な演奏を融合させた名盤。もちろんキャロル・キングに加え、カーリー・サイモンやリンダ・ロンシュタットらもバッキング・ヴォーカルで参加。プロデュースはピーター・アッシャー。
ジェイムス・テイラー
『JT』
SMJI
3月25日発売
CD
SICP-20106
¥2,500（税込）
アメリカを代表するシンガー・ソングライターのジェームス・テイラーが、1977年にリリースした傑作中の傑作アルバム（グラミー賞獲得作品）。ワーナー・ブラザーズからCBSへの移籍第1弾となった本作は、ピーター・アッシャーがプロデュースし、軽快でポップでスマートな中に、彼本来が持つ温かみあるキャラクターと繊細な感性が光る。1曲目の「きみの笑顔」をまずは聴いてみて欲しい。
※限定紙ジャケ仕様（MHCP-1189／¥1,890 [税込]）や
通常盤（SICP-8042／¥1,785 [税込]）も発売中。
ジェイムス・テイラー
『ワン・マン・バンド』
ユニバーサル クラシックス＆ジャズ
発売中
CD＋DVD
UCCO-3003
¥3,600（税込）
ジェイムス・テイラーとラリー・ゴールディングスの2人だけで、2007年7月に米マサチューセッツ州ピッツフィールドのコロニアル・シアターにて行ったライヴを、CDとDVDに収録した充実のライヴ・アルバム。しかもDVDには曲間の楽しいMCや貴重な映像なども追加されており、JTの意外な一面を垣間見ることができるお買い得な内容だ。40年のキャリアを総括する内容で、選曲もベスト！
ジェイムス・テイラー
『スクイブノケット〜'91年ツアー・リハーサル』
SMJI
発売中
DVD
MHBP-94
¥2,940（税込）
1991年にジェイムス・テイラーの自宅（マサチューセッツ州マーサズ・ヴィンヤード島スクイブノケット岬）にて行われたツアー・リハーサルの模様を収録した、ドキュメンタリー作品。ツアーの裏側など普段は見られない部分を堪能できる興味深い作品だ。DVD化に際して、「彼女の言葉のやさしい響き」「スウィート・ベイビー・ジェイムス」等5曲を追加収録。
