UVERworld

ARTIST PICK UP

UVERworld

革新×スタンダード×シンプル=∞。ネオサウンド宣言後一発目の音は、
過去最高のテンションで駆け抜ける。この潔さを、聴き逃すな。

(初出『Groovin'』2010年3月25日号)

UVERworld-A.jpg

 スゴイ。再生ボタンの三角を押した瞬間にぱっと浮かんだ感想は、それだった。即座にそれを頭の中のPDAメモパッドに打ち込み、自分定義の関連語変換をする。奥深い?突き抜ける勢い?惹き込まれずにはいられない?…いや、すべてその通りだ、けれどこの三者三様な楽曲たちを表すにはまだまだ、何かが物足りない。私はリズムに合わせて変換キーを連打する。そうして3曲目まで聴き、出てきた言葉は、「潔い」だった。
 結成10周年、メジャー活動5周年。TVドラマやラジオなど、媒体の異なるタイアップの影響もあってか、J-ROCK(J-POPとは色の異なるロック色の強い邦楽だそうだ)の中でも彼らの音は幅広く浸透している。基盤はもちろん「Rush」「〜流れ・空虚・THIS WORD〜」「the truth」などツイン・ギター中心の骨太ロックなものの、「expod-digital」「brand new ancient」「Burst」からうかがえるように、アルバムやc/wでは打ち込み、ラップ、ヒューマン・ビート・ボックス、HR/HM的な要素などを織り交ぜている。またその一方、「シャカビーチ〜Laka Laka La〜」「シャルマンノウラ」「アイ・アム Riri」のように、彼ら独自の解釈の…強いて言うなら〈UVERworld〉というジャンルさえ見せてくれる。
 さらに、彼らを語る上で欠かせないのが、バラード曲の完成度の高さだ。「君の好きなうた」「恋いしくて」ほか、近作では「美影意志」「マダラ蝶」など、懇切丁寧にろ過された歌詞と、アコギを交えた実直なサウンドは、彼らの持ち味のひとつと言ってもいい。
 さて、そうしてこの5年を振り返る『Neo SOUND BEST』が昨年末に発売されたのだが、それに先駆けて4月下旬からの全国ツアー日程が発表されていた。さらにメンバーの日記には、レコーディング風景が続々とアップされていく。「ってことはまた何かリリースが…?」と思った人も少なくはないだろう。私もその1人なのだが、彼らは期待を裏切ってきた。それも、もの凄くいい意味で、だ。
 その、4月に発売を予定している6thアルバム(オリジナルでは5枚目)に先駆けて現れた3曲は、先で述べたような今までのUVER像をぎゅぎゅぎゅっと、これでもか!とばかりに濃縮したようなものになっている。
 色に例えるならば、表題曲「GOLD」は、聴くほど共にハンズ・クラップし、飛び跳ねたくなる熱情の篭もったマゼンダだ。それとは対照的に、3曲目の「MINORI」は彩度を抑えたシアン。ピアノを組み込んだミディアム・ナンバーで、凪いだ海の波打際のようにじわじわ心へ染み込んでくる。その2曲をつなぐ「CHANGE」は、人気アニメのタイアップの影響もあるのか、普遍的で親しみやすいイエローといったところか。但し歌詞は、読むほどに目や心にちくりとした痛みやくすぐったさを覚える。
 その3色がかけ合わさった時の輝きは、一体どれぐらいのものになるのだろう?答えはきっとこの1枚やタイトル、さらにはライヴ会場に散りばめられているはずだ。さあ、この目で、耳で、そして全身で、「バカ騒ぎしようぜ」…「動き出せ!」。

Text by 柴 友里

『GOLD』
UVERworld-J初回盤.jpgUVERworld-J通常盤.jpg




Sony Music Records
3月31日発売
Maxi Single
[初回生産限定盤]DVD付 SRCL-7239〜40 ¥1,529(税込)
[通常盤]SRCL-7241 ¥1,223(税込)

4月発売予定のアルバムに先駆けて届いたのは、確実な変化、成長、進化をうかがわせる個性的な全3曲。不変の探究心を感じる表題曲の他に、人気アニメのイメージソングと、丁寧につむがれたバラードで、彼らの加速度を体感できる。初回生産限定盤はDVD付き、通常盤初回仕様分には「機動戦士ガンダム00」イラストワイドキャップステッカー封入。

※写真は左が[初回生産限定盤]、右が[通常盤]のジャケットです。

【UVERworld オフィシャルサイト】www.uverworld.jp/

inserted by FC2 system