坂本真綾

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坂本真綾

今年でCDデビュー15周年を迎える坂本真綾が、
自身の誕生日&武道館ライヴの当日に "初"のベスト・アルバムをリリース!

(初出『Groovin'』2010年3月25日号)

坂本真綾-A.jpg 過去にシングル楽曲集を2タイトル発表している坂本真綾だが、ベスト・アルバムと銘打たれた作品は実はこの『everywhere』が初めてだったりする。自身の誕生日であり、武道館ライヴの当日となる3月31日にリリースされる本作には、シングル全17枚、アルバム全10枚の中から厳選された楽曲群の新録曲に新曲を加えた全30曲を網羅。高音質なSHM-CD仕様の2枚組という体裁、そして何よりも彼女本人による思い入れたっぷりなセレクトは、CDデビュー15周年という節目の年を飾るに相応しい。
 気になる選曲のラインナップは、ゆったり、じっくりと聴かせるタイプの楽曲に重きを置いているようでいて、「マメシバ」「プラチナ」に代表される疾走感溢れるナンバーや「奇跡の海」「ユニバース」といったファンタジックで壮大なナンバーも適度に盛り込まれた、メリハリとバランスが感じられるものとなっている。言うなれば"大人の選曲"といったところだろうか。菅野よう子プロデュース時代とそれ以降、なんていう風に分けて語られることが多い現在の坂本真綾の楽曲において、その両方を混在させながらも自然な聴き心地を実現している点もまた特筆ものである。制作時期、作家陣、アレンジのスタイルや歌唱法などが異なる楽曲群を新たなアルバムの枠組みで聴くことで、シンガー&作詞家としての彼女の成長の道筋がより鮮明に浮かび上がってくる。そこから導き出されるのは、楽曲提供者が誰であれ、坂本真綾が歌えばそれはもう坂本真綾の音楽でしかないのだという事実。選曲の妙からこの答えを導き出し、各楽曲の持つバックグラウンドを意識し過ぎず、これまで以上に素直な気持ちで彼女の歌を堪能できたことが個人的には大きな収穫だった。
 温もり溢れるメロディーに、ピアノとストリングスを中心とした上品かつ叙情的なアレンジが絶妙な絡みを聴かせる新曲「everywhere」ではなんと作曲にも初挑戦、早くもその才能を開花させている。デビュー当初より音楽的に高い評価を獲得してきた坂本真綾の進化と成長はこれからもまだ続いていきそうだ。

Text by Naka

『everywhere』
坂本真綾-J.jpg




フライングドッグ
3月31日発売
2CD+DVD
VTZL-15
¥3,780(税込)

シングル全17枚、アルバム全10枚の中から坂本真綾自らが厳選した"ベスト・オブ・ベスト"な楽曲群に、新録曲や新曲を加えた全30曲を高音質なSHM-CD2枚にわたって収録した"初"のベスト・アルバム。DVD付き初回盤には新曲「everywhere」と「マジックナンバー」のPVを収録。

※初回盤は終了次第、DVDなしの通常盤(VTCL-70007〜8/¥3,780 [税込])に切り替わります。

【Official web site 坂本真綾 【I.D.】】www.jvcmusic.co.jp/maaya/

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