JUJU

SPECIAL SELECTION

JUJU

通算3枚目にして初のセルフ・タイトル・アルバム『JUJU』が完成。
多彩な作家陣を迎え、〈自身のあるべき姿〉を打ち出した充実の1枚に。

(初出『Groovin'』2010年3月25日号)

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 JUJUの昨年の活躍ぶりは、とにかく目を見張るものだった。2009年の幕開けを彩った「やさしさで溢れるように」が配信累計150万DLを突破し、続いてリリースされた2ndアルバム『What's Love?』もチャート3位を獲得。これ以上ないスタート・ダッシュを飾る中、2009年第2弾シングルとなった「明日がくるなら」が映画『余命1ヶ月の花嫁』の主題歌に抜擢され、配信累計300万DL&CDセールス20万枚を超える大ヒットに。同曲は、年末に行われた日本レコード大賞にて作曲賞も受賞し、〈2009年を代表する楽曲〉のひとつとなった。もちろん、アルバム『What's Love?』を引っ提げた全国ツアーも軒並みソールド・アウト。また、順調なアーティスト活動の一方、その飾り気のないキャラクターも人気を集め、ヴァラエティ番組にも多数出演。シンガーとしての姿とは一味違う気さくなトークに魅了された方も多いことだろう。
 2008年のブレイクから快進撃を続け、今やJ-POPシーンに欠かせない存在となった彼女がニュー・アルバムを3月17日にドロップした。アルバム・タイトルは、ズバリ『JUJU』。通算3枚目にして初めてのセルフ・タイトル・アルバムとなるわけだが、このタイトルには、自身の本分であるシンガーとしての真摯な思いが込められているそうだ。プライヴェートでも親交の深いクリエイター陣を起用し、自分がもっとも自分らしくいられる環境で作り上げられた今作は、〈現時点でのJUJUのありのままの姿〉が反映された1枚と言っていいのかもしれない。
 さて、気になる収録曲をご紹介。今作は全16曲というヴォリュームなのだが、その中でも特に注目したいのが、BONNIE PINKとRIP SLYMEのPESをそれぞれ作詞に迎えた2つのナンバー。BONNIE PINKが手掛けた「37℃」が倦怠期を迎えたカップルのすれ違いを表現したものであるのに対し、PESが手掛けた「いつからか...ずっと」は、友人関係を経て恋人になった男女が未来を誓い合う内容となっており、女性と男性の目線から綴られる恋愛模様の対比がなかなか面白い。
 そのほか、前作『What's Love?』でもタッグを組んだMONGOL800の上江洌清作が作詞・作曲を担当したウェディング・ソング「bouquet」をはじめ、川口大輔、Jeff Miyahara、DJ HIROnyc、RamWireら、彼女にとって気心の知れたクリエイターたちが参加したナンバーがズラリ。王道バラードからボサ・ノヴァ、ジャズ、ロック、エレクトロまで、多彩な音楽エッセンスが所狭しとひしめき合うカラフルな仕上がりだ。もちろん、「明日がくるなら」「桜雨」「PRESENT」といったお馴染みのヒット・シングルも収められており、満足度十分。それに加えて、今作の初回生産限定盤には、カヴァー集CDが封入されているので、手に入れたい方はお早めに。
 5月13日からは、札幌Zepp Sapporoを皮切りに11都市12公演に及ぶ全国ツアーをスタートさせるJUJU。2010年も休むことなく走り続ける彼女から目が離せない。

Text by 池 佐和子

『JUJU』
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SMAR
発売中
CD
[初回生産限定盤]2枚組 AICL-2090〜1 ¥3,800(税込)
[通常盤]AICL-2092 ¥3,059(税込)

BONNIE PINKやRIP SLYMEのPES、亀田誠治、川口大輔、MONGOL800の上江洌清作ら、豪華クリエイター陣を迎えた3rdアルバム。王道バラードからボサ・ノヴァ、ジャズ、ロックまで、多彩な音楽性を盛り込んだカラフルな仕上がり。初回生産限定盤はカヴァー集CD付き。

【JUJU official site】http://www.jujunyc.net/

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