スラッシュ

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スラッシュ

最後のギター・ヒーロー!!! ロックン・ロールに人生を捧げた男が魅せる、
豪華なヴォーカリスト達との奇跡のコラボレーション!!

(初出『Groovin'』2010年3月25日号)

スラッシュ-A.jpg 世の中のロック・ファン、ギタリスト・ファンの多くが一度は体験する、初めてギターをかき鳴らした時の感動を、いつでも思い出させてくれる世界最高のギタリスト、スラッシュが遂にソロ・アルバムをリリースする。いきなり「何のこっちゃ?」と思われたかもしれないが、彼の音楽を聴くと曲やアルバムの良し悪しよりも、まず先に出てくる音の"正直さ"に感動する。ロックすることの喜びが音の端々から伝わってくるのだ。
 そんな衰えることを知らない初期衝動を漲らせながら、わが道を行く姿にファンは魅了される訳だが、その正直さゆえ、ガンズ・アンド・ローゼズ、スネイクピット、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーと、ヴォーカリストとの関係やヴォーカリスト探しに常に悩まされるのは本人にとっては痛し痒しと言ったところか。そんなこともあってか、今回のアルバムは自分が歌って欲しいと思ったヴォーカリストに1、2曲ずつ参加してもらうという変則的なものとなった。
 それにしてもゲスト・ヴォーカリスト陣は豪華!! この原稿を書いている時点では完成の音を未聴なのでどんな仕上がりになっているのか分からないが、そのミステリアスな響きがスラッシュのR&Rとどんなマッチングをみせるのか楽しみな"メタル・ゴッド"オジー・オズボーン、ブルージーで深い味わいが持ち味で絶妙なマッチングが予想されるクリス・コーネル、キング・オブ・ロックン・ロールのレミー(モーターヘッド)やイギー・ポップ、紅一点ファーギー(ブラック・アイド・ピーズ)、若手メタル・バンドの筆頭格アヴェンジド・セヴンフォールドのM.シャドウズ、オシャレでポップなアダム・レヴィーン(マルーン5)など、どんな化学反応を見せるのか、仕上がりが楽しみな名前が並んでいる。現段階で聴けたのは日本先行でシングル・カットされた、稲葉浩志をフィーチャーした「SAHARA」のみだ。どうやらアルバムの仕上がりは各ヴォーカリストがどれだけスラッシュの曲の魅力を引き出せるのかがカギとなりそうである。これだけ多彩な顔ぶれを揃えたのだ、きっと1人のヴォーカリストに縛られてはできない、ヴァラエティに富んだアルバムに仕上がっているに違いない。
 さて、アルバムがリリースされたら次はツアー?実際、こんなに豪華な面子でレコーディングしてしまってツアーはどうするのか?ソロ・ツアーならではの豪華なセット・リストを期待してしまうのは、私だけだろうか?そして、その後のスラッシュは一体どこに向かうのか?とりあえずは休止しているヴェルヴェット・リヴォルヴァーを再開させるのか?それとも今回のアルバムが呼び水となって、新たなプロジェクトに発展するのか?はたまた全スラッシュ・ファンの最大の夢であるガンズ・アンド・ローゼズのオリジナル再結成!?…なんてのはまずないだろうが(苦笑)。とにかく今後の動向も気になるところだが、まずは再び彼の熱い演奏に酔いしれることを素直に喜ぶとしよう。

Text by 三津山貴之

『スラッシュ』
スラッシュ-J.jpg




ユニバーサル インターナショナル
3月31日発売
CD
[デラックス・エディション]DVD付 UICE-9079 ¥3,600(税込)
[通常盤]UICE-1156 ¥2,500(税込)

元ガンズ・アンド・ローゼズ、現ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのギタリスト、スラッシュの世界注目の初ソロ・アルバム。デビュー以来変わらぬロックン・ロールに多数の豪華なゲスト・ヴォーカリストが華を添えるヴァラエティ豊かな1枚。限定盤デラックス・エディションのみメイキング映像を収録したDVD付き。

【スラッシュ メーカーサイト】http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/slash/

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