#118 甲斐名都 of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

甲斐名都

静岡でも精力的に活動を続ける甲斐名都の新章がスタート!ディズニー映画『ボルト』主題歌の「同じ空を見上げてる」を収録した、新しい魅力が満載のニュー・シングルについて、そして「第2のホーム」の静岡について、お話を伺ってきました!今回は『Groovin'』本誌には掲載出来なかった部分を含む完全版を公開!必見です!

(初出『Groovin'』2009年7月25日号)

甲斐名都-A.jpg■甲斐名都、静岡を語る!
--:ライヴなどで、「静岡は第2のホーム」と仰っているそうですね。静岡と繋がりを持たれたきっかけを教えてください。
甲斐名都:まだインディーズで活動していた4年前に、静岡のK-MIXで『よりみちroom』っていう番組をやらせてもらうことになったのがきっかけです。それから少しずつ、K-MIXのイヴェントだったり、インストア・ライヴで静岡市や浜松や御殿場とか、静岡県内のいろんな所でライヴをやらせてもらうようになって…。それからは相当行ってますね(笑)。
--:静岡のお客さんにはどんな印象を持たれてますか?
甲斐:どちらかというとノリ重視ではなくて、皆さんじっくり聴いてくれますね。初めて聴いてくれた方でも、ちゃんとこう、言葉に耳を傾けてくれるっていう感じです。
--:出身は東京ですよね。
甲斐:そうなんです。生まれも育ちも東京なので、"故郷"みたいのが無いんですよ。だから、静岡のお客さんから「おかえりー!」とか言われると、凄く嬉しいんですよ!
--:そんな静岡の魅力を教えてください!
甲斐:いっぱいありますけど…まずは、どこからでも富士山が綺麗に見えるのがいいですね。東名高速の下り側の富士川サービスエリアから見える富士山が特に絶景なんですよ!食べ物は…静岡って広いので、色んなグルメが有って。浜名湖近辺だったら、しらすとか桜エビだし、「B級グルメグランプリ」でグランプリをとった富士宮焼きそばも凄い有名だし、浜松餃子っていうのもあって、宇都宮餃子と何が違うかっていうと、付け合わせに必ずもやしが付いてくるんですよ!そういったグルメもあるし…。静岡の方々の人柄は、皆さんちょっとシャイなんですけど、仲良くなると凄く応援してくれるんです。『よりみちroom』が始まった時も、静岡のみんなに街の事を教えてもらうコーナーをやってたんですけど、沢山教えてもらったんです。で、実際に富士宮焼きそばを食べに行ったり、実際に自分も行ってみて、静岡の事を少しずつ詳しくなって、みんなとの距離も縮まったりしてるので…。スゴいみんなフレンドリーですね。


■普段の制作方法について
--:『ナミダの成分』『深呼吸の必要』も聴かせて頂きました!独特の表現やユーモアを交えた歌詞が印象的でしたが、作詞の際に心がけている事が有れば教えて下さい。
甲斐:自分にしか出来ない言葉を選ぶっていうのはあります。普通は歌詞にしないような言葉だったり…。今回のシングルc/w曲「ウォーミングアップ」の中でも「ご祝儀袋は/常備中」っていうのがあるんですが、そういうフレーズを見つけられたら、あ、これは私にしか歌えないなって思えるので、そういうのをいっぱい書けるアーティストでいたいなあといつも思いながら作詞しています。
--:英語や横文字もあまり使われないですよね。日本語の響きを大切にされている印象でした。
甲斐:そうですね。実際に音を聴くときは文字は見えてない訳ですけど、例えば「あいしてる」ってフレーズを平仮名で書くのと片仮名で書くのと漢字で書くのでは全然イメージが違いますよね。そういうのって日本語にしか無いし…「情緒」って言うんですかね。奥行きが凄くあるじゃないですか。だから、実は凄く楽しそうなメロディでも、聴いてみたら悲しい事を歌っていたりとか。悲しそうに聴こえても実は前向きな主人公の意識が有ったりとか。日本語の歌って、何度も楽しんで、聴けば聴くほど発見があると思うので。そういうのを大事にしてます。小説を読むのが凄く好きなのも関係していると思いますね。
--:そうなんですよね。宮部みゆきさんとか伊坂幸太郎さんがお好きだと伺っています。
甲斐:宮部さんは言葉遣いが綺麗なんですよ。情景描写も凄い綺麗だし。まどろっこしくなくスッと入ってくるんですよ。
伊坂さんは…男性の作家さんってあんまり読まないんですけど、伊坂さんはテンポが良いから読みやすいですね。あとは、登場人物みんなの事が好きになれるんですよね。脇役が居ないっていうか。主人公に愛着を持ってもらえるっていうのは、多分、作り手としては凄く大事なことだから…。私も曲書くときに、主人公が居る場合は、この子がどういう服を着ていて、どういう声をしてて、どういう部屋で生活しててとか、設定してから書きますね。
--:読まれた小説や映画などが作詞に影響することもありますか?
甲斐:直接的に「この作品から作ろう!」みたいのはないですね。でも例えば映画で観た夕立のシーンが頭に入ってる状態で、夕立が出てくる曲を書こうと思ったときに、そのシーンが出てくるっていうのはあると思います。


■ディズニー映画『ボルト』日本語版エンディングソング「同じ空を見上げてる」について
--:「同じ空を見上げてる」はディズニーアニメーション映画『ボルト』のエンディングソングですが、この曲は『ボルト』のストーリーを基に作られた曲ですか?
甲斐:そうですね。「こういう映画が有るから、曲を書いてみない?」って言われて。『ボルト』を観て書きました。
--:今回、特に心がけた事ってありますか?
甲斐:ストレートな表現で歌詞を書こうと思いましたね。映画を観終わった後に流れる曲なんですが、情景描写は『ボルト』で十分受け取っているので、その後の余韻が感じられるような曲が良いんじゃないかなと思ったんで。
--:確かに、今までの作品と比べると情景描写が少なく、シンプルな歌詞になってますよね。
甲斐:そうですね。自分の中で1つテーマがあって。『ボルト』の映画のテーマが「信じることが一番のスーパーパワー」なので、曲の中でもそれをテーマにしたんです。私はインディーズの時から「自分を信じるってなんだろう?」「人を信じるってなんだろう?」っていうことをテーマにして書いてきているので、そこは全くブレなかったんですよ。じゃあ、今までストーリー仕立てにしていた所を、ストレートな表現にしてみたらどうなのかな?っていう書き方をしました。
--:ある意味、新しいチャレンジでもあった訳ですね。
甲斐:そうですね。だから今までなら恥ずかしくてストレートに言えない事とかも、敢えて…。映画館で流れるぐらいだから、もうストレートで良いかな~って(笑)。
--:クレジットによれば今回は「はつみ」さんも作詞に加わっていますが、共同で作詞されたんですか?
甲斐:共作と言うよりは、一番最初に曲を頂いたときに仮詞での仮歌が入ってたんですね。その中でサビの1行目の「会いたくて/会いたくて/空見上げた」っていうところがあって。ここは『ボルト』の世界にぴったりだから、そこは生かしたかったんですよ。そこだけはつみさんの言葉を頂いて、そこから自分で広げて行ったっていう感じですね。
--:いままでの作品では曲も詞もご自身で作られてましたが、今回は元I WiSHのnaoさんが曲を提供されていますね。曲に歌詞をつけていく作業も、新しいチャレンジだったと思うんですが、苦労したこととか、新しい発見は有りましたか?
甲斐:曲が先に決まっていると音数が決まっている分、入れられる言葉数も限られてくるっていう制約が出てくるんですよね。でも、その制約の中で書いてみるのはパズルみたいな感覚があったので、苦労するっていうよりは楽しみながら出来ました。ここに5音あるけど、5文字何入れよう?みたいな。
--:『ボルト』には、犬のボルトと飼い主のペニーとの絆が描かれているんですが、甲斐名都さんも愛犬家でいらっしゃるんですよね。凄く感情移入できたんじゃないですか?
甲斐:凄く自分自身と重なりましたね。小さいときにゴールデン・レトリバーを飼ってたんですけど、『ボルト』を観たときに、初めてその…パトラッシュっていう名前だったんですが(笑)、そのパトが家に来たときの事とか凄い思い出して。
パトの事を想いながら、詞を書いたり、レコーディングで歌ったりしました。『ボルト』は主人公が犬っていう事だし、テーマが「信じる」って事だったので、これは自分が歌いたいなと思って。縁を感じましたね。


■c/w曲について
--:c/wの「ウォーミングアップ」は、エレクトロ・ポップな音に驚かされました!こういう音になったのは何故ですか?
甲斐:自分で作詞・作曲をしながらも、「同じ空を見上げてる」みたいに提供して頂いた曲に歌詞を乗せるっていう事も同時進行でやっていったんですね。で、頂いた曲の1つに「ウォーミングアップ」のトラックが有って。歌いたい歌詞は既にあったんですよね…全速力で走る為には、ウォーミングアップが大事だけど、必要な量は違うし、人から見たら「いつまでアップしてるの?」って思われるかもしれない。でも、必要ならやっていいじゃん!っていう。で、最終的に自分なりの全速力で走れたら良いんじゃない?っていう事を歌いたくて。自分自身も、周りを見ていても、人に急かされたりとか、人の目を気にして無理に全速力で走って転んじゃったり怪我しちゃったりすることって最近多いんじゃないかって思って。このトラックを聴いたときに「これだ!」って思って。そこから作りました。
--:最後の「甘いスイマー」もアレンジが新鮮で、凄く楽しい雰囲気が溢れてますね。
甲斐:タイトルの「スイマー」っていうのは、泳ぐ「swimmer」と眠気の「睡魔」を掛けてるんですけど、この曲は恋する女子を応援する曲なんです。恋の心地良い夢の中に居るようで、いつのまにかハチミツの海にハマっちゃって、泳いでも泳いでも進まないよ~!みたいな曲なんです。なので、前に進む推進力はありながらも、ちょっとドロッとした悪い感じも出したいっていうのはアレンジャーさんに伝えて。ギターのフレーズをちょっと悪くしてもらったりして、遊んでます。
--:この曲は「2009 世界の菓子まつり」のテーマ・ソングでしたが、お菓子のイメージから「ハニー」っていうフレーズがひきだされたんですか?
甲斐:はい。「甘い/甘い」っていうのはそこからきてるんですけど。その甘い、ハチミツ、イコールちょっとドロッとしてるけど、でも心地良い恋の海…みたいな。ちょっと繋げてつくりました。


■今後の甲斐名都について
--:3曲とも甲斐名都さんの新しい魅力がギュッと詰まっていると感じたんですが、甲斐名都さん自身が特に聴いて欲しいポイントってありますか?
甲斐:どの曲も自分を信じていこうよっていうこと…自分らしくいこうよっていうことを言っているので、その辺のメッセージを…元気ない時でもいいし、ノッててもっと勢いづけたいって時でもいいので、そういうときに聴いて貰えたらなって。で、曲調もそれぞれ違うので、それぞれの気分の時に聴いてもらって、後押しできればいいなって思います。
--:これからも新しいサウンドは取り入れていこうと考えてますか?
甲斐:そうですね。作詞・作曲しながらも、提供された曲に歌詞を乗せるっていうのもやっていきたいと思っています。
予定調和にならない甲斐名都を…。「なっちゃん、こうきたか!」っていう…。
--:リスナーを驚かせたい?
甲斐:はい。
--:今までのファンが戸惑ってしまうかもしれない怖さはありませんか?
甲斐:ああ~!どうですかね?でも「甲斐名都ってこうです!」って自分の中で決めちゃうことが凄く嫌なので。これも私だし、あれも私だしっていうのを楽しんで貰えたら嬉しいです。
--:今後の野望を教えてください!
甲斐:富士山の麓で夏フェスを…!「甲斐ナツフェス」を開催したいです(笑)!
--:それでは、最後に『Groovin'』読者に一言お願いします!
甲斐:K-MIXとかを通じて、甲斐名都を普段から応援してくれている方にも、『ボルト』を通じて知ってくれる方にも、これが今、私がやりたいことです!と大きい声で言える1枚なので、それを感じて貰えれば嬉しいです。で、ライヴに遊びに来い、と(笑)!
--:命令形ですか(笑)?
甲斐:ニコニコ言ってたと書いて下さいね(笑)。

(2009年6月24日/都内某所にて)
インタヴュー&構成:宮城 宙(編集部)

『同じ空を見上げてる』
甲斐名都-J.jpg

tearbridge records
7月29日発売
Maxi Single
NFCD-27188
¥1,300(税込)
1年ぶりのニュー・シングルは、ディズニー・アニメ映画『ボルト』のエンディングソングに決定。真っ直ぐ心に届くシンプルな歌詞が、涙を誘うバラードに仕上がりました。c/wは甲斐名都流エレクトロ・ポップの「ウォーミングアップ」と、恋する女子への応援歌「甘いスイマー」。甲斐名都の今を感じられる1枚です!

【甲斐名都オフィシャルサイト】http://www.kainatsu.com/home/index.html

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