#122 OUTRAGE of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

OUTRAGE

世界に誇る日本人メタル・バンド、OUTRAGEのドラム=丹下眞也氏へのメール・インタビューに成功。12年ぶりとなる待望のオリジナル・アルバムについて伺うことが出来た!BLOGでは、丹下氏の熱い言葉を余すところ無く収録した、インタヴュー完全版を公開!

(初出『Groovin'』2009年11月25日号)

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−−:LOUD PARK 09はお疲れさまでした。久々のステージだったと思いますが、新曲「RISE」を披露した手ごたえはどうでしたか?
丹下眞也:オーディエンスにとっては初めて聴く曲なので、勿論構えて聴いているという感じではあったと思いますが、あの場で新曲がどんなものなのかと期待していた人達には「RISE」の1曲だけでもアルバムがとても勢いのあるものだという全体像が伝わったのかと思います。新曲をもっとLOUD PARKで聴きたかったという感想も耳にしましたが、インパクトを残すことを考えてあえて1曲だけの新曲発表にしました。
−−:バンドは結成から20年を超えましたが、LOUD PARK 09では若い人達も曲を一緒に歌っているのを見て実は意外に思ったのですが、ファンの年齢層は年々広がっている手ごたえは感じますか?
丹下:もっともっと若い人達にもOUTRAGEの曲を聴いて欲しいと思います。アイアン・メイデンなんかはヨーロッパでは2世代のファンを持ってると聞いています。OUTRAGEの新作は若い世代にも伝わるような作品になったと思いますし、逆にこの作品をもっと若い世代にアッピールするのがOUTRAGEの役目であり、日本のMETALシーンがもっと大きくなるかの決め手になるのではと思います。
−−:新作『OUTRAGE』の音を聴かせていただきましたが、1曲目からラストまで本当に素晴らしく、嬉しくて何度もガッツポーズしてしまいましたが、今回アルバム名にバンド名を冠した理由を教えてください。
丹下:いたってシンプルな発想です。まさしく直樹、洋介、義博と自分の音がこのアルバムに詰まっているからです。レコーディング中に思ったことですが、この4人が揃えばどんな曲調であってもOUTRAGEのサウンドになるのだと改めて思いました。これがOUTRAGEの持ち味であり武器でもあります。そしてこのアルバムに付ける名前は「OUTRAGE」しかないと思いました。このアルバムに込められてるメッセージは10曲の音なのです。その音は紛れもなくOUTRAGEの音なのです。OUTRAGEというタイトル以外は思いつかない作品が出来たと思っています。
−−:製作期間はどのくらいでしたか?
丹下:MIXが終わるまで1ヶ月くらいでした。各パート3〜4日で録音し終えています。録音の部分はこれまでと比べてかなりハイペースなレコーディングになりました。短期間のレコーディングでしたが逆に集中力がわき、ダラダラせずテキパキと作業が進みました。マスタリングまでチェックせずに帰国しましたが、MIXの段階ですでに良いサウンドになっていたので心配は全く無かったです。
−−:今回は、アーク・エネミーやイン・フレイムスとの仕事で知られるフレドリック・ノルドストロームのプロデュースですが、どのような経緯でフレデリックに決まったのですか?
丹下:色々なプロデューサー候補を考えましたが、まず過去の焼き直しはしたくないと思いました。この4人で作ったまさしくOUTRAGEらしい曲に、新しい要素を付け足してくれるプロデューサーを探しました。決め手になったのは、フレドリックの作ったアーク・エネミーとスピリチュアル・ベガーズの作品でした。フレドリックの音が1本芯にありますが、どちらの作品もバンドの曲調を的確に表した音に仕上がっていて、フレドリックならOUTRAGEに新しい要素を付け加えた上で更にOUTRAGEらしくしてくれそうだと思ってのチョイスでした。結果、とてもパワフルでソリッドでHEAVY METALらしい音に仕上がりました。
−−:今まで、マイケル・ワグナーやスティファン・カウフマンなど色々な方と仕事してきた訳ですが、それと比べてフレドリックとの共同作業は如何でしたか?フレドリックはかなり色々な部分に意見を出す人だったようですが…。
丹下:ドラムのフィルからギターのコードや歌のプロデュースと、かなりフレドリックのアイデアが入ったアルバムになりました。曲を削ってシンプルになった曲がいくつかありますし、フレドリックが客観的に曲を聴いた感想を取り入れています。そのアイデアはかなり的確だったと思います。攻撃的な曲にはアレンジもプレイもアグレッションを求められました。またムードのある「SHINE ON」では大胆にオルガンもレコーディングしました。フレドリックはバンドと年齢が全く一緒だったのでとても意見は受け入れやすいものでした。今までに一緒に作品を作ったプロデューサーと比べてみると、とてもマイケル・ワグナーに近い雰囲気がありました。フレンドリーでジョークが好きなところはとても似ていましたが、マイケル・ワグナーは曲のアレンジにはあまり意見を出さない、どちらかというとエンジニア的なプロデューサーだったような気がします。そこを比べると、フレドリックからは曲に対して多くアイデアを貰い、その大半はアルバムの中に残されています。
−−:今回は橋本さんの復帰第1弾ということで、橋本さんの歌唱も勿論聴き所の1つだと思いますが、それ以外でファンに注目してもらいたいところは、どんなところでしょうか?
丹下:直樹が昔よりも更に上手に歌ってるのは、メンバーでも凄いなと思います。洋介のギター・ソロも今回はかなり冴えてると思います。洋介らしいメロディーがいっぱいです。そして義博のうねりのあるベース・ラインがブンブンとうなっています。俺のドラムはキャリアのうちで一番沢山ダブル・ベースを使ったプレイになっています。そしてこの4人が集まった音にフレドリックの音が合わさって、とても強力なアルバムになりました。そしてOUTRAGEの過去と現在そして未来まで感じられるアルバムには10曲のとてもバラエティーに富んだ曲が収録されています。これもこの4人でしかできなかった音だと思います。アルバムの最初から最後まで一気に聴いて欲しいと思います。
−−:今回の作品はヨーロッパやアメリカでもリリース予定があり、海外ツアーも視野に入れてらっしゃると伺いました。それにむけての意気込みなどを聞かせてください。
丹下:まだ何も始まっていないので大きなことは言えませんが、海外でのリリースやLIVEが決まれば最高だと思います。そして色んなことが実現できるように努力したいと思います。日本にOUTRAGEというバンドがいるんだということを1人でも多くの人に知って欲しいです。
−−:最後に『Groovin'』読者の方々にメッセージをお願いします。
丹下:まずは今まで応援してくださってる方へ。いつも有難う御座います!! とても満足感のあるレコーディングでした。そして作品も良いものができたと自負しております。是非『OUTRAGE』を聴いて下さい。次にまだOUTRAGEというバンドを知らない方へ。HEAVY METALが好きな方なら楽しめるポイント満載の、まさしくHEAVY METALアルバムです。そして時代や流行とは無縁のタイムレスな作品になっていると思います。昔からMETALが好きな人も、若いMETALファンにも是非聴いて欲しいと思います。宜しく御願い致します。

インタヴュー&構成:三津山貴之&市村高歩

『OUTRAGE』
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CD
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¥3,045(税込)

遂にVo橋本直樹の復帰!日本、いや世界のスラッシュを牽引してきた4人での作品が登場だ!! 今作はVoの復帰がもたらしたバンドの充実ぶりやトップに君臨するバンドとしての凄まじい気迫を感じさせる!バンド名を冠するに相応しい全世界HMファン必携の超名作!(市村)

【OUTRAGE 公式サイト】http://www.outrage-jp.com/

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