#124 Versailles of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

Versailles

Versaillesがメジャー・1stアルバム『JUBILEE』をリリース!メタル・サウンドと美しいメロディ、その圧倒的な世界観は言うまでもなく唯一無二。音に、タイトルに、いくつもの意味やメッセージを含んだその内容をリスナー自身が読み解いてほしい。ここでは『Groovin'』本誌には掲載しきれなかった部分も完全版として公開!

(初出『Groovin'』2010年1月25日号)

Versailles-A.jpg−−:初めて聴く人にも世界観が伝わるような作品だと思います。どんなアルバムができたと思いますか?
KAMIJO:僕たちを見た目だけで判断すると中世ヨーロッパのような、貴族のような華やかなイメージをもつ人はいっぱいいると思うんですけども、それだけじゃなくて、Versaillesの根本にあるのは人間臭さと言うか感情の起伏であったりとか、ドラマティックなスリリングな部分、そういったものが非常にふんだんにひとつのストーリーとして収録できたアルバムに仕上がったと思います。
−−:具体的にはどんなストーリーがあるのでしょう。
KAMIJO:Versaillesは結成当時から「薔薇の末裔の物語」というのを展開しているんですけども、その中でもシングル『Ascendead Master』でデビューした時に15分のショート・ムービーを収録しまして、時間軸的にはその延長上にあります。僕たちがヴァンパイアという設定で、多くの人々をどんどん浸食していくというか…。血のことを僕たちは「薔薇色」と言っているんですけども、世界中を薔薇色の世界にしていくという物語ですね。
−−:Versaillesさんについて語る時に「様式美」っていう言葉がキーワードになることが多いと思うのですが、今回のアルバムにもそれは言えそうですか?
KAMIJO:今回はデビュー・アルバムということで、自分たちの信念である「耽美的精神」っていうのを、まずは謳わなくていけないなっていう使命感はありました。自分たちがどう生きてきて、これからどう生きていくのか。俺たちを見てくれ、聴いてくれっていうだけじゃなくて。俺たちはこういう風に生きてきて、こういう風に生きていくから、聴いたみんなはこれを聴くことで、こういう発見ができたら良いなとか、聴いてくれた人なりのメソッドになったら良いと思います。
−−:聴くたびにメンバーそれぞれのパートや詞で新しい発見があるようなアルバムですね。
YUKI:メンバー、それぞれが主旋だと思っているので、そういうことだと思います。
KAMIJO:何回も聴くっていうのは自分たちがカッコいいと思って作らないと、自分たちも聴けないし。それで自然に何回聴いてもカッコいいと思われる感じに出るんじゃないかと思いますね。
HIZAKI:音楽をやってる以上、当然、聴きやすい音楽を作るってことは絶対に必要なことだと思ってるんです。でも、一般的に聴きやすい音楽っていうのは飽きやすいってことでもあって。それでも飽きさせない楽曲を作るっていうのは常に念頭にはありますね。
−−:たしかにメタルのサウンドが軸にありつつも、すごく聴きやすい作品ですね。
HIZAKI:そうですね。当然メタル好きの方も、J-POPとか洋楽好きの方も、子供から大人まで、おばあちゃん、おじちゃんまで、みんなが聴ける。どの世代に向けて聴かせるとかは全くないので、人類全てを狙っています(笑)。
−−:ご自分のパートで特に聴いてほしい部分があれば教えてください。
KAMIJO:ベースなんですけど…。亡くなったJasmine Youがきっとここはこだわったんだろし、聴いてもらいたいだろうなと思ったのが、3曲目「Rosen Schwert」です。8小節ごとにベースのシンプルなリフが出てくるんですけども、彼はここを聴いてほしいんだろうなと思っています。
YUKI:ドラムでいえば1曲目の「God Palace -Method of Inheritance-」ですね。曲の長さが10分半あって第4楽章まである曲なので、キーもテンポも全く別のものが出てきます。その都度お洒落すぎて鼻血が出るぐらいな濃いフレーズなので1曲目がすごいです。
−−:この曲に限らずアルバムの他の曲でも1曲の中で表情を変えるドラム・スタイルですよね。
YUKI:ストレートに1曲通して叩ききるのがカッコいい場合もあるんですけど、僕はタイプ的にいろんな方向にいきたがるんですよね。ついつい、余計におかずを入れたりして(笑)。それは、僕のドラマーとしてのタイプですね。
−−:その「God Palace〜」は壮大な楽曲で1曲目から惹きつけられました。
KAMIJO:これは1曲目だけど、実は1曲目じゃないんですね。ジャケットを見ていただければ分かると思います。ジャケットを見なくても12曲目をよく聴いてもらえれば分かるかもしれないですね。ちょっと不思議な作りになっているアルバムなんです…。
TERU:6曲目「Reminiscence」は、ギター・メインのインスト曲を入れさせてもらいました。僕は種類的には早弾き系と呼ばれるギタリストだと思うんですけども、この曲ではあえてテクニックを見せつけるようなギター・プレイは抑えて、余裕をもって楽曲の雰囲気に溶け込んだギターを弾いています。なんですけど、ちょっとテクニックも誇示するために中盤以降でスウィープを弾いたりとか、速いフレーズを弾いてます。
−−:この曲はTERUさんが作曲をされてますが、ちょっとファンタジックというか…?
TERU:そうですね。アルバムに入る前提では作ってなかったんですけども、アルバムがすごくへヴィで重い作品なので良いスパイスになったかな、と思ってます。
−−:タイトルの「Reminiscence」は、"記憶した出来事が時を経てからの方が思い出せること"を意味するそうですが…。
TERU:朝日とか、こんな美しい朝に目覚められたら良いなっていうような、そういう時に聴きたい音楽というイメージで作りました。自分の記憶がそういうものに結びついて美化されているなと思ったので、こういうタイトルをつけました。
HIZAKI:僕は「The Umbrella of Glass」のギター・ソロが聴いてほしい部分ですね。一応、基本はスパニッシュ・テイストでやってるんですけど、実はスパニッシュだけじゃなくて演歌で使うようなスケール感も入れてみました。なぜか僕はアコースティックでギター・ソロを弾くと、自然と演歌っぽい感じが出てしまう部分はあるんです。ただのスパニッシュにするんじゃなくてスペイン人がやるのとはまた違う、日本っぽさも秘かに取り入れて、僕の個人的な音づかいができたかなと思います。
KAMIJO:うた的な聴きどころとしては、歌詞を大切に聴いてもらいたいなと思いますね。1曲1曲としてもそうですし、アルバム全体としても伝えたいことがいっぱい詰まっているので、この歌詞が届くことを願っています。
−−:歌詞はさっきもおっしゃってましたが人間くさい部分もありますね。
KAMIJO:ここまではヴァンパイアとしての記憶で、ここが人間としての現実に戻ってるという場面もあるので…。どこからどこまでがどうなんだろう?とか、いろいろ分析をして楽しんでほしいなと思います。
−−:リスナーにも意味を読み解いてもらうような、解釈の余地を残している感じがしますね。
KAMIJO:曲のタイトルもひとつひとつ、いろんな意味があります。タイトルって別に歌わないじゃないですか。だけど曲を聴いてから改めてタイトルを見たら、あっ、なるほどって答えが出る曲がありますね。
−−:最後にアルバムのタイトル『JUBIDEE』の意味を教えてください。
KAMIJO:「式典」という意味を持っています。自分たちのデビュー・アルバムに冠を載せるなら、こういう喜ばしくもあり、だけど、例えばイギリスでは「何周年祭り」とか、そういう意味もあるんですけども…とにかく大切な日。今回のアルバム自体が、ジャケットにも時計が出てくる通り時間軸というものをいろいろ考えさせられるアルバムになっているので、そういった意味でも相応しいタイトルだと思います。
TERU:今回はジャケットのデザインは僕がやっています。
KAMIJO:僕が難しいことをお願いする時はTERUくんしか再現できないので、そういう時はTERUくんが汲み取ってくれるんです。
TERU:今回も音とそういうヴィジュアル面でもかなり完成度を高められたかな、と思うのでよく見てみてください。
−−:ヴィジュアルというと、DVDの内容も楽しみですね。
KAMIJO:今回は「Ascendead Master」のPVが収録されているんですけども、これを見ていただかない限りは、今回のアルバムはスタートしないかなと思っています。なので、シングルを持っていない方のために、あえておまけとして入れさせていただいたんですね。それと「Serenade」の映像なんですけども、映像なのに想像が膨らむというか。普通、映像って一度見ちゃうとイメージがその映像になっちゃうじゃないですか。だけど、この曲に関してはよりイメージが浮かぶんですよね。そういう映像になってるので、そちらも楽しんでいただければと思います。
HIZAKI:あとはメイキングということですごく長いのが入っています。メイキングって大体1回見ればもう見ないって人もいると思うんですけど、そのへんも飽きささない、何回も見たくなるものを心がけています。
YUKI:2曲入っていて、さらにこれだけの長さか!?っていう量です。
−−:最後に新年ということで、2010年の目標を聞かせてください。
KAMIJO:僕、高校生の時に地元のすみやさんにあるスタジオでずっと練習をしていたんですよ。なので、今年はそういったスタジオのある店舗さんがあるなら、Versailleのコピー・バンドが増えると嬉しいなと思います。
−−:Versailleさんの曲は技術的にコピーするのが難しいそうですね。
YUKI:まず、ギターのチューニングから変えなきゃいけないっていうね(笑)。
HIZAKI:静岡は僕も一時、半分住んでいたようなものなので、すごく思い入れはあるんですけど、Versaillesとしてはまだ行ってないんです。話はしてるんですが、まだ実現はしてなくて。やっぱり今年は静岡で…。故郷ぐらいの気持ちなので。戻って何か大きいことをやりたいな、と思います。
TERU:2009年はライヴが少なかったので、2010年は日本のみなさん、世界のみなさんともたくさんお会いしたいなと思います。
YUKI:『Groovin'』を読んで、初めて僕らのことを見た人もいるとは思うんですけども。見た目がすごく派手で、とっつきにくいかもしれないですが、さっきも言ったとおり、聴きやすくてカッコいいアルバムができたので、ぜひ聴いてもらいたいです。

(2009年12月16日/ワーナーミュージックにて)
インタヴュー&構成:秦 理絵(編集部)

『JUBILEE』
Versailles-J.jpg




ワーナーミュージック・ジャパン
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[初回限定盤]DVD付 WPZL-30169〜70 ¥3,500(税込)
[通常盤]WPCL-10755 ¥3,150(税込)

『ASCENDEAD MASTER』から半年、遂にメジャー1stアルバムが届いた。激しくも美しいメタル・サウンドはVersaillesの真骨頂、12曲でひとつの物語を描く。初回限定盤はPV2曲+Specialメイキングを収録したDVD付き、32Pブックレット封入の豪華パッケージ仕様。通常盤の初回分には「APOSTLE CARD」(トレーディングカード)封入。

【Versailles Official Web Site】http://versailles.syncl.jp/

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