#42 HOW of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

HOW

8月28日に待望の新作ミニ・アルバム『New Music』をリリースする、HOW。やっと出来上がったこのミニ・アルバムの制作過程について、また彼らが目指す音楽についてなど、色々とお聞きしてきました。『New Music』の中に詰められた思いとは?

(初出『Groovin'』2002年8月25日号)

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−−:まずは『New Music』が出来上がっての感想を。
黒沢秀樹:すごい、いいですよ(笑)。レコーディングに時間もかかりましたしね。だからこの5曲に絞るのもみんなで何回も相談やリハーサルをしながら詰めていって、みんなで一緒に作ったという感じが強いですね。
中田卓志:最終的に選曲の話し合いをしたら、この曲とこの曲は入るだろうと思ってた曲が意外にも外れてしまったり。でも全体の流れとしては、すごく今のHOWに近い選択になったと思いますね。
笠鳥高生:とにかく音はいいです。毎回(作品を)出す度に「こうやっておけばよかった」っていうのがあるんですが、今回はやることはやったと思いますね。去年からの怒濤のレコーディングを経た結果、バンドの空気感が出た気がしますね。『5 Songs』と一番違うのは、そこだと思うので。
−−:ところでこのアルバム・タイトルは、どこから?
中田:ライヴもやりつつ、そしてレコーディングが終わってから時間が経つ中で、HOWの代表曲って何だろうって考えたときに、「New Music」が育ってきた感じがあったんで。
−−:最近のライヴからは、演奏の喜びが見えますよね。
仲村有紀:本当にそうなんですよ。そっちにシフトしていっちゃったんでね。
笠鳥:それが一番大きな違いかも知れない。演奏を詰めてやったのは、初めてだったかも。でも集中して演奏を詰めていくと、純粋に演奏している時のランナーズ・ハイじゃないですけど、そういうものを垣間見る瞬間っていうのがあるんですよ。「New Music」の詞って、今思い起こすとそういう感じの詞なんです。音楽をやる上で、あまり意識してないところで何かが出来てしまうというか。そんなところが、みんなで演奏を合わせていく間に何回か見えたので。
仲村:演奏って必ずしも巧ければいいっていうものでもないですよね。だから自分で演奏するっていうのが、すごく楽しかったですね。
−−:それでは1曲ずつの解説を。まずは1曲目の「New Music」ですが…。
笠鳥:みんなで、レコード会社の作曲ルームに集まって曲作りする期間があって、その時にたくさん曲が出来たんです。
仲村:私はこの曲では、イントロとアウトロだけを作ったんですよね。
笠鳥:そう、大半は僕が作って、それで途中から有紀ちゃんにガイドしてもらいながら作った曲ですね。この曲、15分ぐらいで出来たのかな。こういう16ビートの曲が、その頃HOWには一番合ってるかも知れないっていう気がしてて。
−−:続いて「Drive」ですが、これは黒沢秀樹作詞で、作曲はHOW名義ですけど?
黒沢:これは小山君が加入する前に、リハーサル・スタジオで曲を作っていた時に出来たものですね。確か「サビはこんなのができたけど、どう?」って僕が作って。
仲村:違うよ、黒沢さんがAメロで、サビは私が作ったんだよ。
笠鳥:これ、有紀ちゃんがサビだよ。
黒沢:そうだ、思い出した。
笠鳥:「ここはいいとこ」っていつ作ったんだっけ?
黒沢:歌詞は、有紀ちゃんがスタジオの部屋で作ってた記憶があるんだけど。確か『5 Songs』を録り終わった直後だったと思う、デモで歌入れしたのは。
笠鳥:多分、曲が出来てあまり詰めずにすぐライヴで演ってたんだよね。
−−:さて「泉」ですが…。これはライヴでも披露されていなかったので初めて聴く曲ですが。
仲村:この曲は、私は個人的にはすごく思い入れがある曲なんです。
笠鳥:「New Music」を作曲していたのと近い時期に、スカっぽいものをやりたいっていうことで作ったんですよ。僕がギターでスチャスチャって演りはじめて、それで有紀ちゃんがAメロとか作り出してね。これは演奏していて面白かったですね。小山君のチョッパーがね。あのベース・ラインは好きだな。
小山晃一:レッチリ世代にもちょっぴりアピールしてみましたけど(笑)。
仲村:歌詞に関しては、どうしてもこういうことを書きたかったんですよ。
中田:でもこれは今までになかったタイプの曲なんで、すごく面白かったですね。
−−:そして「朝焼け」ですが、生ギターの音が印象的ですね。
中田:これは高生がほぼ1人で作っていった曲で、高生ワールド炸裂な感じ。
笠鳥:いや、Aメロは有紀ちゃん。途中を有紀ちゃんがピアノで作って。「エーデルワイス」のコードを追っているときに、「アヴェ・マリア」の最初の部分がすごいっていう話になって、それを複合させたのかな。
−−:次に、レコーディングについてですけど、録音の仕方は?
中田:ベーシックな楽器…ドラム、ベース、ピアノ、ギターは全部一発録りをして、それから上ものを少しオーヴァー・ダビングして乗せたっていう感じですね。
黒沢:機材は全部アナログ。マルチはアナログの24トラック。元々みんなバンドで一緒に演る感じを録りたいって思ってたんで、一番バンドっぽい雰囲気が出せる方法がいいねっていう話になって。それで音にもこだわって、「一緒に演ったぜ!」っていう感じが出せた方がいいから、一発録りに。楽器にもこだわりました。特に有紀ちゃんのキーボードはシンセとか使わないで、CPとローズとアナログ・シンセですね。
笠鳥:アナログで録るからって言って、僕は懐古的なものにはしたくなかったんですね。アナログだけど、新しい音楽にしたいっていう気持ちで。デジタルで録った方がいいなら、デジタルで録るべきですしね。ただ今回はアナログの一発録りの方が空気感も伝わると思ったし。
−−:あとHOW以前に活動してこられたバンドと、このHOWとの一番の違いは何ですか?
中田:僕自身のプレイは、全くの別物ですね。
笠鳥:僕も全く違いますね。もう少しプレイヤー寄りになってるというか。
黒沢:僕は単に、バンドって面白いなっていうのが一番ありますよね、一緒にバーンって音を出す感じとか。各メンバーをそれぞれ、ミュージシャンとして尊敬できるし、特に僕は元々サラダの曲が好きで、一緒にやりたいっなっていう気持ちが最初にあったから。例えばソロだと1人で考えて1人で作ってっていうところがあって、全部思った通りにはなるけど、でも自分の考え以外のものは出て来ないじゃないですか。だからHOWの場合は演奏の部分だけじゃなくて、アイディアの部分でもセッションが出来るのが、すごく面白いですね。
小山:HOWはみんなでやりながら決めていく面白さを楽しむ場かなと思ったりもしますね。だから普通ならギターが2人もいて鍵盤がいたらうるさいよっていう感じにもなるけど(笑)、でもそれを逆算して無駄ではなく楽しむにはどうしたらいいかとか、そういう面白さがありますね。
−−:あとプロデューサーから見たこのアルバムは、いかがですか?
黒沢:プロデュースっていうことに関しては、いちいちこうしろとか、そういうものはないんですよ。すごくみんなのことは信用してるし。ただバンドとして固まったものを、みんなが一番やりたいなって思う方向で具体的にどういう形に残せるかっていうことだけですね、僕がこだわったのは。スタジオやエンジニアや機材選びにしても、単純に今僕らが出してる音を俯瞰でパッと見て、それを人に一番伝えやすい方法は何なのかとか、そういうことですよね。ただ個性や持っているスピリットもそれぞれあるから、それを1つにまとめて、どうしてこの作業を進めるにはこうなのかっていうことを分かってもらった上で、作業に取り組んでもらうこと、それが僕の仕事だと思いますね。
−−:では最後に、今後のHOWの展望とファンへのメッセージを。
黒沢:まずは『New Music』を絶対にいっぱいの人に聴いて頂きたいなと。そのためにはライヴもやりますし。それからこれの続編みたいなものも11月ぐらいに出したいなと考えております。曲のストックはいっぱいあるので、それを形にしたいなと思いますね。
仲村:ストックは40〜50曲はありますね。
笠鳥:フル・アルバムへの架け橋になるアルバムであったらいいなと思いますね。あとギタリストとして聴いてほしいっていうことですね。
中田:とにかく聴いて下さい!ライヴにも来てくれると嬉しいな。
仲村:これを聴いて、少しでも元気な感じになってもらえたらって思いますね。
黒沢:出すまでにすごく時間がかかってしまってお待たせして申し訳ないっていう気持ちですけど、その分すごく納得いくというか、自分で聴きたいって思えるものになったんで、是非聴いて下さい。
小山:¥1,500…安い!1曲¥300。やっぱり聴いてもらえないと始まらないですからね。
−−:それではどうもありがとうございました。
HOW:ありがとうございました!

(2002年7月17日/東京・南青山 ourhouseにて)
インタビュー&構成:土橋一夫&高瀬康一(編集部)

『New Music』
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CD
ourhouse corp.
DDCZ-1005
¥1,429
8月28日発売

黒沢秀樹のプロデュースによるHOW待望のミニ・アルバムは、全てメンバー自身の手によりバンドの空気感にこだわりながら、アナログ機材を導入してレコーディングされた充実した1枚。今のHOWの姿を大切にしながらも、新たな可能性を感じさせる会心作だ。仲村有紀&笠鳥高生のソングライターとしての資質も光る。

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