#23 コブクロ of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

コブクロ

メジャー・デビュー・シングル『YELL〜エール〜』が大ヒットを記録。続くシングル『轍-わだち-』も好評なコブクロが、いよいよファースト・アルバムをリリースします。そこで、ストリートで歌っている時の気持ちがそのまま詰め込まれた今作『Roadmade』について、おふたりに語っていただきました。

(初出『Groovin'』2001年8月25日号)

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−−:デビューから5ヶ月、音楽面、精神面、いろいろと変化があったと思いますが。
小渕:以前より、もっともっと音に集中出来るようになっている気はしますね。ライヴでもレコーディングでも。インディーズの頃はストリート・ライヴの場所とか時間とか、全部僕たちで決めてやっていたし、ライヴの数が多すぎて「ちょっと喉が…」なんてこともあったんですけど、今はそういうことがほとんどないですね。
黒田:あと、メジャー・デビューしたおかげで、今まで関西だけだったんですが、全国をライヴで回れるようになったことは僕らにとって大きなプラスですね。それに周りのレベルが高いので、そこに追いつきたいっていう気持ちが昔よりも強くなりましたね。
−−:いよいよ1stアルバムが発売されますが、率直な感想は?
小渕:これはもうある意味"アルバムではない"という感じですね。1曲ずつの個性が本当にすごくて。10曲が適当に散りばめられたCDっていうんじゃなくて、すごく強い10曲が並んでるっていう感じ。だから、実際僕自身もそうなんですけど、飛ばし聴きすることなく、あっという間に聴き終わってしまうと思うんですよ。
黒田:やっぱり「できたぁ!」って感じですね。今回は2ヶ月ぐらいレコーディングしてたんですよ。インディーズの頃はミニ・アルバムで1週間ぐらいだったし、こんなに長い時間をかけたことがなかったので、達成感みたいなものはすごくありましたね。
−−:その間もライヴはやられてたんですよね。聞いた話によると、大阪では急遽ストリート・ライヴをされたとか。
小渕:「轍-わだち-」の1曲だけだったんですけど、歌い始めるまでは4〜5人だったお客さんが、歌い出した瞬間から一気に500人ぐらい集まってきてくれて。それがすごくうれしかったですね。やっぱり僕たちにとってストリートは神聖な場所だって思うし、これをやらないと僕たちの色というか、血が変わっていってしまう気がする。実際、歌い終わった瞬間にドロッと変わりました。
黒田:ストリートは全身で歌うことを思い出させてくれるんですよ。やっぱり普通にマイクの前だと首から上で歌ってしまう。それはそれで大切なんですけど。
−−:そんなお2人のストリートに対する思いがこの『Roadmade』というタイトルに表れてるわけですね。これはどちらの案ですか?
小渕:僕が考えたんですけど。もう黒田さんが「これしかない!」って。
黒田:だって『Roadmade』ですよ!?「道で作られた」っていう造語なんですけど、あえて"ストリート"って言葉を使わずに、なおかつわかりやすい言葉っていうのを探してて。パッと意味が伝わるような。だからもう聞いた瞬間に「これしかないやろ!」って。
−−:レコーディングはいかがでした?以前『Groovin'』の連載でも笹路正徳さんのヴォーカル録りの方針について書かれてましたが、何度も歌わせてもらえないそうですね。
小渕:ええ。でもそれが僕らの歌に対する興味とか、追求心を高めてくれた理由の1つで。
黒田:今回レコーディングに参加していただいたミュージシャンの方を見ててもそうなんですけど、1回目、2回目の演奏できっちり最高のものを出してるんですよ、プロの方っていうのは。ヴォーカル録りなんて何回も歌うと喉も疲労してくるし、究極でいくと1回で歌えるのが一番ですよね。このアルバムでいうと「そばにおいで」は、僕と小渕は2人で一発録りしてるんですけど、もっと究極でいくと、バンドと一緒に一発録りとかにもチャレンジできたらいいなと思います。もちろんブースに入って別々に録るっていうのもありだと思うし、そういったレコーディング方法の選択肢を提示してくれるのがプロデューサーの笹路さんなんです。
−−:このアルバムにも笹路さんとの信頼関係が表れてますよね。
小渕:それは嬉しいですね。まさにその通り。このアルバムでは笹路さんとすごく近いところまで行ってるので。笹路さんは自分の音を押しつけるんじゃなくて「これはどう?」「じゃあこれは?」って出してくれるんですね。その音が僕たちにハマッているという。
−−:ところで今回のアルバムの楽曲なんですが、インディーズで発表されたものやライヴで演奏されてるものもあると思いますが、新曲というとどれになるんでしょうか?
黒田:音源になっているのは「YELL〜エール〜」「轍-わだち-」「2人」で、このアルバムのために書き下ろしたのは「Ring」だけということになりますね。その他の曲はライヴではやっていたので。「Ring」は完全な未発表曲です。
−−:「Ring」はコブクロには珍しく曲もマイナー調だし、歌詞が非常にリアルですよね。例えば、"歌詞については実話なの?"と気になっているファンも多いんじゃないですか?
小渕:実際ファンの方に「小渕さん、何かあったんですか?」って聞かれたこともありましたよ。「歌詞は俺の日記か!」って(笑)。でも、詞の内容が事実かどうかっていうのは、今後も言いたくないんですね。それを知ったがための先入観っていうのは、曲によっては不必要な時もあったりして…。もしかしたら体験してないからこそリアルさを求めるのかもしれないし。正直、僕は指輪を鏡に投げつけたことはまだ人生で1回もないです(笑)。だからこそどういう心境なのかを突き詰めたい。
−−:あと、「memory」なんかはすでにライヴでは好評な曲ですよね。お2人がステージを走り回る姿が目に浮かびます。
黒田:僕たちのライヴは面白いですよ。絶対楽しんでもらえると思います。そういえば、こないだ地方にインストア・ライヴに行ったら「トーク&ライヴ」になってたんですよ(笑)。でも「トーク・バトル」じゃなくてよかった。しゃべりだけやんって(笑)。
−−:9月には渋谷公会堂でライヴですね。これはどんな感じになりそう?
小渕:実はまだ僕たちも見えてないんですけど、『Roadmade』をアコースティックで届けたらどうなるんだろう?と。だから僕たち自身すごく楽しみにしてるんですけど。
−−:その他に活動の予定は?
小渕:夏から秋にかけては野外と学園祭ツアーですね。学園祭は20本ぐらいまわると思います。
−−:じゃあ、最後にファンへのメッセージを。
黒田:多分、まだコブクロの生ライヴを見たことがない人がほとんどだと思うんですけど、秋には学園祭でいろんな所をまわるので、興味のある人はぜひ寄ってみて下さい。あと、ホーム・ページ(http://kobukuro.com)にも遊びに来てみて下さい。
小渕:このアルバムで、メジャー・デビュー後初めて僕らの全方位を見せることが出来るので、ある意味不安はあるんですけど、絶対気に入ってもらえる自信はあるので、ぜひ聴いてみて下さい。

インタビュー&構成:鮎川夕子/二宮万里

『Roadmade』
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CD
ワーナーミュージック・ジャパン
WPC6-10154
¥2,913(税抜)
8月29日発売

ヒット・シングル「YELL〜エール〜」「轍-わだち-」を収録した、ファン待望のメジャー第1弾アルバム。プロデュースはもちろん笹路正徳氏。切ないバラードあり、ほのぼの温かいポップ・ソングあり、アップ・テンポなロック・ナンバーありの、ヴァラエティに富んだエヴァー・グリーンな1枚。初回限定パッケージあり。

【コブクロ オフィシャルサイト】http://kobukuro.com

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