#8 岡本真夜 PART 2 of SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

岡本真夜

常に等身大のスタンスで女性の気持ちを表現し、多くの支持と共感を集めている岡本真夜さん。
デビュー5周年という区切りの年にリリースされる初のベスト・アルバム『RISE I』についてお話をうかがいました。

(初出『Groovin'』2000年5月25日号)

PART 2

岡本真夜-Aサブ.jpgーー:次の3曲は提供曲のセルフ・カヴァーですが。
岡本:他の方に提供した曲から選んだんですが、「大スキ!」は広末涼子ちゃんに提供した曲で、やっぱりオリコンで1位になったのは嬉しかったですね。で、涼子ちゃんがこの曲を「すごく好きです。」って言ってくれて。やっぱり提供する時ってご本人に気に入ってもらえる事が一番嬉しいので。
ーー:「Will…」は中山美穂さんへの提供曲ですね。
岡本:これはドラマの主題歌っていうお話を頂いて、ドラマのプロデューサーの方の意向と美穂さんのイメージをふまえつつ、という感じで作ったんですが、最初のオファーだと「TOMORROW」のような曲を、という事だったんですね。でも、自分の中での美穂さんのイメージというのがミディアムかバラードっていうのがすごく強かったので、ずっと浮かばなくて。締め切り1日前になっても1フレーズも出てこなくて「どうしよう?」ってなってた時にプロデューサーから「ミディアムでもいいですよ。」っていうお話を頂いて。で、その話を聞いたのが曲作りのためにスタジオに向かうタクシーの中で、スタジオに着いたら5分で出来たっていう。それは自分でも嬉しかったし、ホッとしたって感じなんですけど。締め切りにも間に合ったし(笑)。
ーー:石井聖子さんの「ANNIVERSARY」に関してはプロデュースという形になってますが。
岡本:プロデュースのお話を初めて頂いて、自分の中で楽曲提供はすごくやりたい事だったんですけど、プロデュース業を自分がするとは考えた事がなかったので、最初お話が来た時にはちょっとビックリしました。「どうなのかなあ?」というのはあったんですが、せっかくのお話なんで挑戦してみました。音作りっていうのはみんなでいい作品を作ることだと思うので、楽曲提供と意識は同じ、と言ったら失礼になっちゃうかもしれないんですけど、とにかくみんなでいい作品を作りたい!という気持ちだけでやった作業なんで、あんまりプロデュースという意識はしませんでした。でも、この曲はすごく大事にしていて、聖子ちゃんのデビュー曲でもあるんですけど、ファンの皆さんにもかなり気に入ってもらっている曲なんです。ライヴのアンケートなんかでも必ず入っているので今回のベストに入れようかなあと思いました。
ーー:ファンにとってはそれぞれ思い入れのある曲ばかりですね。あと初回限定盤には「Alone」のAORヴァージョンが入りますよね?
岡本:『Crystal Scenery』というアカペラ・アルバムを一昨年ロスでレコーディングしてたんですけど、その時に「Alone」のこのヴァージョンもオケだけ向こうのミュージシャンの方に演奏してもらってたんです。何らかの形で使いたいなあというのがあって。それで、今回特典をどうしようか?っていう話になった時に「Alone」は自分自身の転機になった曲でもあるし、これを入れよう!と。
ーー:洋楽好きの方にもたまらないでしょうね。一通りアルバムの全曲についてお伺いしたんですが、岡本さんは作曲される時にはどういったスタイルですか?
岡本:鼻歌が多いですね。ピアノに向かってしまうと逆に何も浮かばないんです。構えてしまうと出来ないたちで、結構日常生活のふとした瞬間に浮かんだものをテープにいれたりとか。
ーー:ピアノに向かって作曲されるイメージがあるので、それは意外ですね。
岡本:多分いろんなイメージがあると思うんですけど、すべて裏切ってると思いますよ(笑)。
ーー:では、その鼻歌の時点で詞が一緒に浮かんで来てるんですか?
岡本:一緒の時と、メロディーだけの時ももちろんあって。だいたいサビの1行は一緒にくることが多いですね。それ以外の部分はあとで仕上げるという感じですね。
ーー:「Alone」なんかは曲が先ですか?
岡本:そうですね。で、「ギュッと誰か抱きしめて」っていう詞は昔ノートに書いてたもので、たまたまそれがハマッたのでそこから広げていって。あと「大丈夫だよ」のメロディは新大阪の駅のホームで浮かんだんですよ。そこからすぐにディレクターに電話して、サビだけだったんで電話口で歌って。ディレクター打ち合わせ中なのに無理矢理譜面を書かせて(笑)。
ーー:メロディーが浮かぶ時はそういう突発的な事が多いんですか?
岡本:そうですね。「来るかも?」っていう感じではなくて突然来るので、気付いたらサビだけ出来ちゃってたりとかして、その辺は自分でも不思議な感じですね。
ーー:女性は特に歌詞の部分で共感できる点が多いと思うんですが、それを特に意識されたことはありますか?
岡本:それはないですね。詞の題材っていうのもあえて探そうとしないというか、例えば詞を書くために本を読んだり、映画を見たりっていうことはしたくないんです。ただ普通にリフレッシュの方法として映画を見たりっていうタイプであって。まあ、そういった中から自然に影響されたりっていうこともあるとは思うんですけど。
ーー:恋愛の歌の比率が高いと思うんですが。
岡本:(笑)恋愛経験豊富じゃないです!よく聞かれましたもん。今までも(笑)。
ーー:すごくディープな恋愛相談とか来そうですよね。いや、相談したくなっちゃいますよね。曲を聴いていると。
岡本:そうですか?お役に立てるかどうかわかりませんが(笑)。
ーー:6/28発売のマキシ・シングルも勿論ですが、たくさんの女性ファンが期待しているのがこのベスト・アルバムだと思うんですよ。そんな女性に一言。
岡本:恋愛も仕事も頑張りましょう!と(笑)。
ーー:では、『Groovin'』の読者へ一言。
岡本:我が道を行こう!と。好きなことや自分のやりたいことをやるのはすごく難しいことではあるんですけど、苦労もそれなりにあったとしても幸せだと思うので、自分のやりたいことに向かってほしいなあと思います。

(2000年3月23日 所属事務所にて)
インタビュー&構成:鮎川夕子

『RISE I』
岡本真夜-J.jpg



CD
徳間ジャパン
TKCA-71940
¥2,913(税抜)
5月31日発売

95年のデビュー曲「TOMORROW」から「この星空の彼方」までのシングル曲に提供楽曲3曲のセルフ・カヴァーを加えた全14曲。初回盤のみボーナス・トラックとして「Alone〜AOR Version〜」を収録。これぞベスト!という感じの内容の濃い1枚。

【岡本真夜 オフィシャルホームページ】www.mayo-okamoto.com/

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